「人間ドック」40代で受けたほうがいい人の特徴 目安は55歳以上、「上手な利用法」を徹底解説

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これは人間ドックだけではなく、特定健診でもいえることですが、検査結果が正常値の範囲内であっても、それで安心というわけにはいきません。重要なのは、時間の経過とともに、数値がどう変化しているのかということです。正常値の範囲におさまっていても、数値が徐々に変化している場合は、注意したほうがいいでしょう。

実際、検査の結果は正常値の範囲内でも、値が前年の倍だったので、念のため詳細に検査したら超初期のがんだった、というケースがありました。大切なのは自分の正常値を知ることと、それがどのように変化しているかを知ることです。数値の増減があれば、早めにエコー検査を受けるなど、対策をとったほうが安心です。

検査過程に違和感があれば病院の変更も

時間の経過にともなう数値の変化が重要なので、おなじ医療機関で検査することが望ましいのですが、もし検査の過程などで違和感を抱いたら、思い切って医療機関を替えてみるという方法もあります。

当センターでは自費で検診に来てくださる方々を最優先し、また検査結果の説明も、私たちは、かならず医師が対面で行い、ご希望に応じて、その場で専門診療科の予約を取るようにしています。こうした連携が十分でない場合は、一考の余地があります。

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毎年の検査結果を手元においておけば、別の医療機関で検査した場合でも、経年の変化をチェックすることはできます。

医療機関は同じところを選ぶにせよ、追加検査をどうするかという問題もあります。毎回、すべての検査を追加なさる方もいますが、費用面の問題もあります。追加する検査を選ぶ場合、初回の検査で異常があったかという点が重要です。なにかしらのリスクが発見されたら、検査の間隔を短くしたほうがいいですし、そうでない場合は、2年や3年といった間隔でも大丈夫であることもあります。これは検査項目によって異なります。

ただ前述のように、家族に病歴があるとか、脂質異常、高血圧、糖尿病、もしくは喫煙といった血管の病気のリスクを持っている方は、毎回、検査したほうがいいでしょう。血管の状況は1年でも変わってきますので、やはり検査データは多いほうがいいと思います。

このように中年期から人間ドックを上手に利用していくことが、健康寿命を延ばすことにつながります。

徳田 治彦 国立長寿医療研究センター臨床検査部長兼長寿検診部長

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とくだ はるひこ / Haruhiko Tokuda

1984 年、自治医科大学医学部卒業。名古屋大学第一内科などを経て1995 年から国立療養所中部病院(現・国立長寿医療研究センター)へ。2004 年から現職。専門領域は内科学、内分泌学。

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