働く「小学生の母」、臨時休校中の苛立ちの正体

3500人調査で判明した「小学生の父」の行動

新型コロナウイルスが家庭に及ぼした影響でとくに大きかったのは、小学生の子どものいる共働き夫婦の働き方のようです(写真:Fast&Slow/PIXTA)  
ほとんどの地域で約3カ月に及んだ臨時休校。突然自宅で過ごすことになった子どものために、在宅勤務にシフトした家庭も多いだろう。その間、普段どおりの仕事に加え、家事に育児、さらに「先生役」までこなさなければならなかった親たちから悲鳴が上がった。
親たちの働き方は、臨時休校中にどのように変わったのだろうか。また、どのような精神状況だったのだろうか。人情に注目して人間行動を分析した著書『義理と人情の経済学』の山村英司氏が、約3500人対象の全国調査で、新型コロナウイルスによる臨時休校中のフルタイム勤務のホワイトカラー夫婦の働き方の変化を分析した。

3500人を対象に2週間ごとにアンケート調査

臨時休校中、身近な家庭生活では、具体的に何が起きていたのだろうか? 海外メディアによれば、新型コロナの急増によって親から子どもへの虐待が急増したという。ロックダウンなどによって家の中にこもって生活をするようになったため、いら立ちなどが募り、そのはけ口が子どもに向かっているのかもしれない。

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また、コロナ離婚などの言葉も目にするようになった。これも、普段は疎遠になりつつも、夫婦関係を維持してきたカップルが顔を突き合わせて生活するようになった結果かもしれない。現在、筆者は京都文教大学の筒井義郎教授らと、新型コロナウイルスが家庭生活に及ぼした影響を分析している。

インターネットを通じ、全国各地の男女約3500人を対象に、3月中旬から2週間おきにアンケート調査を行っている。同一人物を追跡調査しているので、新型コロナウイルスの蔓延や政策によって、人々の行動変容や心理変化を詳細に分析することができる。これまで筆者らの分析結果から明らかになったことを紹介していく。

1回目の調査時点ではすでに、臨時休校が全国の小中学校等で始まってから10日ほど経過していた。学校に行っているはずの時間帯に、小中学生は家の中で過ごすことになった。子どもを1人きりにさせることは望ましくない。とりわけ、小学生を1人にすると、学習面、生活面へのマイナスの影響が出るだろう。

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