ネット出前などの生活関連サービス大手の美団点評は5月25日、2020年1~3月期の業績を発表した。それによれば、売上高は167億5000万元(約2529億円)と前年同期比12.6%減少。純損失は15億8000万元(約239億円)と、2019年4~6月期から3四半期連続の最終黒字を経て1年ぶりの赤字に転落した。
ただし、売上高の落ち込みや純損益の悪化の度合いは市場の事前予想を下回った。ストックオプションやシェア自転車事業関連の無形資産の償却などを控除・調整した非国際会計基準の純損失は2億2000万元(約33億円)と、やはり赤字だった2019年1~3期の純損失より8割近く減少した。
気がかりなのは、美団点評のユーザーと加盟店の数が直前の四半期比で初めて減少したことだ。1~3月期のアクティブユーザー数は4億4900万人と、2019年10~12月期より0.3%減少、アクティブ加盟店数は610万店と、同じく1.6%減少した。原因はネット出前事業の成長鈍化に新型コロナウイルスの流行が重なったためと見られている。
2025年に1日当たり注文1億件の目標変えず
新型コロナの流行期、ネット出前は都市封鎖で自宅を出られない人々の「巣ごもり消費」に欠かせないサービスのひとつになったが、それでも負の影響は吸収し切れなかった。美団点評のネット出前の売上高は1~3月期は95億元(約1434億円)と、前年同期比11.4%減少、1日当たり注文件数は1510万件と前年同期比18.2%減少した。
レストラン、ホテル、旅行などの予約代理事業の打撃はさらに大きく、1~3月期の売上高は31億元(約468億円)と前年同期比3割近く減少。その結果、事業全体の営業損益は17億元(約257億円)の赤字となり、前年同期の営業損失額より31.6%増加した。
「短期的な黒字は最優先の課題ではない。次の段階では(コロナの打撃を受けた)ネット出前の加盟店の経営支援にリソースを投入し、注文件数の回復を図る」。美団点評CEO(最高経営責任者)の王興氏は決算説明会でそう述べるとともに、2025年に1日当たり注文件数1億件という目標は変えず、注文1件当たり1元(約15円)の営業利益を目指すとした。
(財新記者:銭童)
※原文の配信は5月26日
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