コロナ後に「日本人の生活水準」を下げない秘策

「生産性を高めない企業」への支援はやめよう

中小企業の定義を変えるのに加え、日本は中小企業庁の使命自体を変えるべきです。

昭和時代の「中小企業庁」は、その使命を終えている

中小企業庁発足の際の使命は、その名が示すとおり、中小企業を守り、増やすことでした。中小企業庁はその使命に従い、どんなに生産性が低く、経済合理性に乏しい中小企業でも、守り、増やしてきました。その結果、日本の1社当たりの平均従業員数は1964年の25人から、1986年には12.9人まで激減したのです。

中小企業庁は中身と関係のない、数ありきの単純目標を使命にしてきたと言えます。霞が関ではよくあることです。誤解を恐れずに極論すると、中小企業庁をつくったこと自体が、日本の生産性を低迷させてきた要因だったとも言えるのです。

人口が急激に増加していた時代は、企業数を追求するだけでよかったかもしれませんが、人口が減少するフェーズに入った日本では、その役割はすでに終わっています。

人口が減少する時代には、企業の数が減らないよう守るのではなく、労働参加率と労働生産性のバランスをとりながら、企業の成長を促すことを使命にしなくてはいけません。

小規模事業者からスタートした企業のできるだけ多くを中堅企業まで成長させ、さらにその中からできるだけ多くの企業が大企業に成長するよう促すことを使命にするべきです(参考:「日本は生産性が低い」最大の原因は中小企業だ)。

現行の中小企業庁は、企業の成長をまったく後押しできていません。

たとえば、2012年から2016年の間、295万社の存続企業のうち、規模区分が拡大したのはたったの7.3万社でした。中小企業庁の政策は、企業の数には影響を及ぼしているのかもしれませんが、企業が成長するのにはほとんど貢献していない証拠と言えるでしょう。

次ページ生産性が上がらない企業への支援は打ち切るべき
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 自分史上最高のカラダに!本気の肉体改造メソッド
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 晩婚さんいらっしゃい!
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
日本製鉄は「巨人トヨタ」でも1ミリも譲らない
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「ニッポン半導体」敗北の真相
「ニッポン半導体」敗北の真相
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
勝ち組シニアと負け組シニア<br>定年格差

「45歳定年」発言に対し一部で猛反発。現実には法改正で70歳までの雇用確保が今春努力義務化されました。人生100年時代といわれる今、従来の定年はもはやなくなりつつあります。老後も働くシニアが第二の人生を勝ち抜くためにすべきことは何でしょうか。

東洋経済education×ICT