ロケ場所探しから警官のご機嫌取りまで……低予算の映画をプロデュース、撮影現場ドキュメント《ハリウッド・フィルムスクール研修記11》
朝9時からスタートし、この日も大きなトラブルなく撮影は夜10時に終了。プロデューサーの仕事はほぼ準備段階で終わっているといっても過言ではないので、撮影中は暇なほど、円滑にいっている証拠です。
撮影3日目
次の日は朝9時からパサデナにあるレストランを貸切り、主人公が相手役の男優からプロポーズを受けるシーンを撮影しました。
このレストランが入る建物は、第2次世界大戦中にアインシュタインが住んでいたという歴史的な建造物です。彼が客員教授を務めたカリフォルニア工科大学まではいまだに地下トンネルでつながっているのだとか。
■本番前のカメラテスト中の様子。手前の2人はスタンドイン(撮影が始まる前の仕込み時などに、主要登場人物の代わりにセットの中の立ち位置にいてもらう人)
撮影はレストランがディナー営業をするまでの約束だったため、午後2時前にはいったん中断し、車で30分ほどの距離に学校に個々の車で移動します。
午後3時きっかりから、役者・クルー全員でランチの時間です。これもハリウッドのルールで、勤務開始時間から遅くとも6時間後には食事を出さなくてはなりません。これが遅れるとペナルティ(罰金)を課されます。
ランチ後は学校の廊下をデコレーションして、日本風の病院を作ります。映画のなかでアメリカのレストランから日本に突然ワープするシーンがあるため、ナース役から患者役まで、ロサンゼルス在住の日本人の方にたくさん集まっていただきました。私も白衣と聴診器を身につけ、お茶漬けをすする医者という設定で3秒ほど出演しました。