コロナ禍でも人気のCM好感度ランキングTOP30 DMM英会話が総合1位、大塚製薬のポカリCMも

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トップ10以下では、12位につけた大塚製薬『ポカリスエット』のCMに注目したい。今年4月にCMキャラクターに起用された15歳のモデル、汐谷友希のほか97人の中高生がそれぞれ自室などで「♪今しかない この一瞬は」などと力強く歌っている自撮りの動画をつないで、“ポカリNEO合唱”を表現するという内容だ。

ポカリスエットCM|「ポカリNEO合唱」篇 60秒

最後は「渇きを力に変えてゆく。」というコピーに続き、分割された画面に一人ひとりが撮った青空の映像が次々に映されていき、全員で大きな青空を完成させて締めくくった。

本作は大勢の中高生がひとつの場所に集まって合唱するという当初の企画を変更して制作されたもので、ウェブではセルフィー撮影する生徒の姿に「でも、今はみんなで集まれない。」「だけど、歌は歌える。」といったコピーを重ねたメイキング映像も公開している。

調査モニターからは生徒たちが生き生きと歌う様子が支持されたほか、人に会えない状況でもつながっていると感じたなどの感想が寄せられた。社会状況を生かしたタイムリーなプロモーションといった、制作手法そのものを評価する声もあった。CMに込められた「マイナスをプラスに変えることができる」という企業の思いが視聴者へのエールとなり、多くの共感につながったようだ。

26位に入ったネスレ日本『キットカット』のCMもメッセージ性の高い表現で多くの支持を集めた。CMは商品の紙パッケージをつなげて作った巨大なキャンバスに、香取慎吾がカラフルな大輪の花のアートと「いっしょにがんばりましょう」というメッセージを力強く描くというもの。

"キットカット" 「今、伝えたいこと」篇 30秒

本作は同社が昨年9月に商品パッケージを従来のプラスチックから紙に変更したことを伝えるもので、調査モニターからは環境問題への配慮に対する賛同のほか、「いっしょにがんばりましょう」という言葉に勇気づけられる、今ならではのCMで心に響くといった声が目立った。

これからはCMのあり方も変わっていく  

そのほかにも、視聴者が“今できること”や企業の取り組みを具体的にアピールするCMも数多く放送されている。

ジャパネットたかたは「今だから気付けること」をキーワードに、さだまさしや西川貴教らが医療関係者へのねぎらいや手の洗い方などを伝えるCMを展開。トヨタは香川照之が世界各国の同社の社員に“テレ取材”を行い、医療用フェイスシールドの生産といった同社の活動などを伝える『トヨタイムズキャンペーン』のCMを放送した。

今後、コロナ禍が収束を迎えたとしても私たちのライフスタイルや働き方、経済活動が大きく変わることは間違いない。企業のコミュニケーション活動やCMがどのように変化していくのか、引き続き検証を進めたい。

次ページ【表】5月前期CM好感度ランキングTOP30
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