勝負に勝つために絶対必要な「感覚力」の中身 伝説の勝負師はなぜ2秒で判断できるのか?

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勝負に勝つためには「感覚」を重んじるべきだという理由とは(写真:kieferpix/iStock)  
20年間無敗。伝説の勝負師として麻雀の世界で生きてきた桜井章一氏。氏の型にはまらない独特の生き方は、長年多くのファンを魅了してきた。その桜井氏が新刊『「実戦」で身につけた本物の教養』で披露しているのが、勝負に勝つために絶対必要な「感覚力」の身に付け方だ。現代をサバイブするために欠かせないその力とは? 氏の新刊をもとにひもとく。

集中力とは意識を広げること

皆さんは「集中力」というと、どういうイメージを持っているだろうか?

一点に気持ちを集中させ、ほかのことを考えない状態? 私が麻雀の実践で培った集中力というのは、それとはまったく違うものだ。

一点だけに集中するのではなく、意識が広く全体に行き渡る感じだ。心を穏やかに揺らさず、360度あらゆる方向に自分の意識を広げていく。すると自分の回りのあらゆること、変化に気づくことができる。

麻雀をやりながら、向こうで誰かがトイレに立ったなとか、誰と誰がしゃべっているなとか、後ろで誰かがタバコを探しているなとか。自分の背後の出来事まで気づき、見えてくる。そういう状態が私の言う「集中」だ。

一点に意識が向かうと、それに捉われてしまう。すると周囲で起こっている微妙な変化に気がつくことができない。それでは麻雀に勝つことはできない。

麻雀は1対1ではなく3人との勝負だ。しかも136枚の牌の組み合わせは無限であり、そこから生み出される場の流れ、勝負の綾もまた無限に変化していく。麻雀をやった人ならわかるが、最初はピンフ手を作るつもりが、配牌の流れによって七対子の手になったり、対々和や混一色や清一色など、目指すべき手が変わっていく。

また、相手の手の速さ、ポンやチーの鳴き、そしてリーチなどで展開が変わっていく。その時々刻々と変化する状況を素早く察知し、それに対応する力が求められる。

次ページ相手の様子、姿を見て変化を捉える
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