「直接会いたい」という人はむしろ信用できない ありがたく拝聴しても何も生まれない

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大手企業に所属するのも、安心感に頼るのも、結構だ。しかし組織のルールにとらわれ、動きだす一歩をためらい、「旧世代」にのみ込まれてはいけない。

スマホの可能性をフルに発揮して、「旧時代」の常識を振り切り、新しい時代に乗っていくのだ。

優れた人に会いたければ自分のレベルを上げよう

僕は仕事の打ち合わせや段取りの確認など、すべてスマホでこなしている。微妙なニュアンスが必要なクリエイティブな仕事は、SkypeやLINEのグループ通話で進めることができる。

そんな時代に、「どうしても直接お顔を見ながら話したい」とか「何とかお会いする時間をいただけませんか?」と言ってくる人がいる。こうして相手の時間を平気で奪う自分本位の人間とは、はっきり言って、もう付き合わなくていいと思う。

「直接会って話せばわかり合える」という根拠のない“常識”が、いまだに根強く残っている。SNSでは真意が伝わらないと決めつけて、話せば万事、心が通じ合う、みたいなことを思い込んでいる。会えば相手のことが全部わかるなど、人間の複雑な側面を軽く見すぎだろう。

直接会ってもウソしか言わない人はたくさんいる。むしろ、直接会って話したときのほうが人間はウソをつきやすい。スマホで済むような話を、わざわざ会って処理させる人を信用してはいけない。相手の時間を余計に奪うことは、ウソつきよりも質が悪い。

SNSのメッセージアプリを使えばデータにきちんと記録が残るし、“書く”という手作業に落とし込んでいる分、思考の本質が強く出る傾向がある。だから受け手の側も、直接会うときより相手の真意を測りやすいのだ。

堀江貴文さんに会いたい、ぜひお話ししたい!という人は、すごくたくさんいる。スマホであれだけ考え方や情報を発信しているのに、なんで会いたいの?と思う。講演会の依頼も多いが、基本的に特別な関係以外のオファーは断っている。

生で会うホリエモンから、ネットにはアップされない、特別な面白い話を教えてもらえると考えているのかもしれないが、ただの幻想だ。生で会わないと得られない面白い話なんて、持っているはずがない。

面白い話というのは、一緒につくり出すものだ。例えば「こんなアイデアがあります」「こっちのほうがいいんじゃないの?」「なるほど。じゃあこうしてみます」と議論して、話は段階的に面白くなっていく。もちろん、これは直接会わなくてもメッセージアプリで実現できることだ。

対等に話し合える関係性でなければ、会う意味はない。これは僕に限らず、著名人に会いたいと願う人に覚えておいてほしいことだ

烏合の衆となって、拝みながら“ありがたい言葉”を聞きたいというスタンスでは、優れた人に会っても何も生まれない。しかし、スマホを駆使して多くの思考と発信を続け、自分のレベルを上げていけば、そこで何かが生まれるチャンスはある

『スマホ人生戦略 お金・教養・フォロワー35の行動スキル』(学研プラス)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

一般の人でもSNSでの活動をきっかけに有名クリエイターとコラボしたり、超一流の起業家を取材したり、大手企業から講演に招かれることは少なくない。僕の主宰するオンラインサロン・HIUでも、無名からコツコツと努力して、本を出版するチャンスをつかんだメンバーがいたりする。

いまはスマホで簡単に情報が手に入る。誰だって1つの分野に深く精通することは可能だ。まずは学びを深掘りして、高いレベルに上がる作業を重ねよう。

影響力のある人と出会い、そこで化学反応を起こすためには、努力を重ねて、相手にメリットを与えられる確かな実力をつけるしかないのだ。

堀江 貴文 実業家

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ほりえ たかふみ / Takafumi Horie

1972年福岡県八女市生まれ。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『10年後の仕事図鑑』(落合陽一氏との共著、SBクリエイティブ)など。

Twitterアカウント:@takapon_jp
その他詳細はHORIEMON.COM

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