トヨタ、コロナ禍の「利益8割減」に透ける覚悟

研究開発と設備投資は前期並み水準を維持

2020年3月期の決算発表会見に臨むトヨタ自動車の豊田章男社長。今回は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、オンラインでの会見となった(写真:トヨタ自動車)

「コロナショックはリーマンショックよりもはるかにインパクトが大きい」。5月12日、トヨタ自動車がオンラインで開いた決算発表会で、豊田章男社長は強い危機感を示した。

同日、トヨタが発表した2021年3月期(2020年4月~2021年3月)の業績予想は売上高24兆円(前期比19.8%減)、営業利益は5000億円(同79.5%減)と大幅な減収減益見通しとなった。税引き前利益や当期利益は現時点では算定困難で未定とした。

【2020年5月13日10時12分追記】初出時、売上高の数字が誤っていました。お詫びして訂正いたします。

前提となる年間のグループ販売台数は890万台と前期に比べ156万台、率にして14.9%の減少を見込む。トヨタの営業利益が1兆円を下回ることになれば、東日本大震災直後の2012年3月期(3556億円)以来、実に9期ぶりとなる。

危機的状況だからこそ1つの基準を示した

トヨタの決算発表と同じ日、決算を発表したホンダは2021年3月期の業績予想を未定とした。4月末に決算発表を行ったトヨタグループ各社も新型コロナで見通しが不透明なことを理由に同様の対応を取っていた。

それだけに、トヨタが業績予想を示したことは「異例」ともいえ、記者からも質問が相次いだ。豊田社長は「危機的な状況だからこそ、今わかっていることを正直に話し、1つの基準を示すことは必要だと思った。基準があれば、裾野が広い自動車産業の関係各社が何かしらの準備ができるのではないか」と話し、日本車のトップメーカーとしての配慮を示した格好となった。

欧米の一部の国ではロックダウン(都市封鎖)の解除や外出制限を緩和する動きが出てはいるものの、感染が再拡大する第2波のリスクも高い。トヨタはそれを承知の上で、限定的ながらも今期の販売動向の見通しを示した。

CFO(最高財務責任者)の近健太執行役員は「トヨタの世界販売台数は4~6月期に前年同期比で6割、7~9月期は同8割、10~12月期で同9割の水準を想定する」と述べ、2021年の初頭には2020年並みの水準を回復するとみる。

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