パレスホテル、トップが語る「脱・丸の内」の秘策

新ブランド展開しM&Aも視野、非丸の内50%へ

皇居そばに立つパレスホテル東京。成長戦略をどのように描くのか(撮影:今井康一)
新型コロナウイルスの影響で、ホテルを運営する企業の経営破綻が相次いでいる。4月には東京都内などで約25のホテルを展開するファーストキャビン、関西や全国のリゾート地で28ホテルを展開していたWBFホテル&リゾーツがそれぞれ経営破綻した。
そんな中、2020年から成長に向けてアクセルを踏み込もうとしていたのが、東京・丸の内の「パレスホテル東京」を中心に首都圏で4ホテルを展開するパレスホテルだ。
同社は2009年から総工費750億円をかけてパレスホテル東京を建て替え、当時2.4万円の平均客室単価を直近で6.2万円まで押し上げた。これは外資系ラグジュアリー(最高級)ホテルに匹敵する水準だ。
同社は2020年6月に大阪市内で新ホテルを開業する予定だったが、その矢先に新型コロナウイルスが直撃し、新ホテルの開業延期を余儀なくされた。
パレスホテルはコロナ禍をどのように乗り切り、コロナ後にどのような成長ビジョンを描くのか。2020年3月に就任した吉原大介社長に聞いた(インタビューは4月23日、リモート形式で実施)。

客室稼働率は10%に届かない

――現在、パレスホテル東京の営業状況はどうなっていますか。

宿泊は長期滞在の方こそいらっしゃるものの、新規予約は取っておらず、細々と営業している。レストランに至ってはすべて休業で、4月はホテル事業の売り上げがほとんど立たない。都内の多くのホテルがそうだと思うが、客室稼働率は10%にも届かないだろう。

緊急事態宣言のもとでも、宿泊やレストランは国や東京都による休業要請の対象になっていない。しかし、宿泊で新規予約をとらず、レストランも休業したのは、利用客と従業員の安心・安全を重視したためだ。人件費などのコストを考えると、仮に通常営業を続けていたとしても、その選択が正解だったとは限らない。

2月時点でコロナの影響はそれほどなく、前年に期間が当たった春節が1月に期ずれしたにもかかわらず、2月の売り上げも対前年比3~4%減で済んだ。影響が本格化したのは3月からで、宴会が軒並みキャンセルされ、レストランの成績も大きく落ちた。

3月は桜シーズンで、宿泊は稼働・単価ともに稼ぎ時となるはずだったが、3月の売り上げは前年と比べて約4割の減少となった。

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