パレスホテル、トップが語る「脱・丸の内」の秘策

新ブランド展開しM&Aも視野、非丸の内50%へ

――緊急事態宣言の解除に向けた見通しは不透明ですが、今後のホテルの運営方針は。

解除されなければ、しばらく今の体制を続けていく。ただ、従業員の健康だけでなく、生活も守らなければならない。どこかのタイミングで何らかの売り上げを創出する必要に迫られるだろう。緊急事態宣言が解除される前でも、例えばフードのテイクアウトだけ営業するなどの試みも、視野に入れるべきだ。

緊急事態宣言が解除されても、(すぐに)全面的な営業再開に踏み切るつもりはない。ただ、ホテルのレストランはテーブル数を減らすなどして、利用客も従業員も安心できるような形式の営業から始めていきたい。

パレスホテル東京は都内でも数少ない、バルコニー付きの客室があるホテルだ。換気のしやすさは、安心というニーズに応える好材料となる。

「コロナ後」のホテルは安心感がカギに

――「コロナ後」は、ホテルの接客も大きく変わるのでしょうか。

バーで、知らない人間がつくったドリンクを飲みたくないという利用客が出てくるかもしれない。緊急事態宣言が解除されてからしばらくの間は、「安心感」がホテル運営のポイントになってくる。

営業を再開してから2、3カ月の間、(高品質の接客サービスが求められる)ラグジュアリーホテルであっても、個々の利用客のニーズを汲み取り、あえて(顧客との)接点を作らないサービスを準備する必要がある。

――2020年3月の社長就任とほぼ同時に新型コロナウイルスに見舞われました。

社長就任の話が持ち上がった2019年秋から、2020年1月から2024年12月までの中期経営計画の検討を始め、策定した。(2020年3月末時点で約460億円ある)有利子負債の返済を進め、(2019年12月末時点で26.9%にとどまる)自己資本比率を一層引き上げる。(2020年夏に大阪で開業する新ホテル「ゼンティス大阪」とは別の)ホテルの新規開業に向けた投資規模も具体的に定めた。

さらに、この5年間を足掛かりに、以前から掲げてきた全体の売上高に占める「丸の内比率」の低減を進める。東京・丸の内にあるパレスホテル東京と、隣接するオフィスビル賃貸が全体の売上高に占める割合は(80%超と)非常に高い。地震など自然災害のリスクに備え、10年後には「非丸の内」比率を50%まで高めていく。

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