販売回復のカギを握るのは2大市場の中国とアメリカだ。中国は2019年に市場が8%減となる中で、トヨタは過去最高の162万台(2018年比9%増)を売り、初めて日本の販売台数を上回った。日産自動車を抑えて日系メーカーの首位にもなった。
新型コロナ問題で1月以降販売が落ち込んでいたが、4月には販売台数が前年同月比で0.2%増にまで回復。「カローラ」や「レビン」、「RAV4」といった主力車の新型車販売が好調だという。
アメリカでは、トヨタは2019年に238万台を販売し、シェアは14%と全メーカー中3位。最近では収益性の高いSUV(スポーツ用多目的車)や高級車レクサスの販売を伸ばし、ドル箱市場としての存在感は大きい。
トヨタのアメリカ販売は4月に前年同月比54%減と大きな落ち込みだったが、4月が底になると想定する。州によって経済活動の再開状況は異なるものの、5月11日から北米の生産を段階的に再開。近執行役員は「アメリカや欧州では稼働が戻り、回復の芽が見えている。販売の機会を逃さずに今の前提に上積みできるようにしていく」と話す。
未来の種まきにアクセスを踏み続ける
未曾有の事態に陥っているトヨタだが、豊田社長は「リーマンショック時よりも販売台数の落ち込み幅は大きいが、黒字は確保できる見通しだ。コロナの収束後に経済復興の牽引役としての準備は整っている」と述べ、企業体質の改善が進んでいると強調した。
リーマンショックが襲った2009年3月期は販売台数が前期比で12%近く減り、4610億円の営業赤字に転落。2009年6月に就任した豊田社長の下で、それまでの拡大路線を見直し、経営環境が悪化しても「持続的成長」ができる会社を目指し、「競争力強化」の取り組みを進めてきた。
2020年3月期決算は売上高が29兆9299億円(前期比1.0%減)、営業利益が2兆4428億円(同1.0%減)で着地。売上高に対する営業利益率は2019年3月期と同水準の8.2%をキープした。
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