ダイハツ「タフト」価格判明で見た競合車との差 安全機能と装備の充実にアドバンテージあり

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ボディサイズは、軽自動車だから全長と全幅は等しいが、全高はタフトが1630mmに対し、タントは1755mmで125mm上まわる。

比較対象とした「タント カスタムX」(写真:ダイハツ)

タントは後席のドアがスライド式で、左側のピラー(柱)をドアに埋め込んだピラーレス構造から、前後のドアをともに開くと開口幅が1490mmまで拡大する。

あらかじめ助手席を前方にスライドさせておけば、ベビーカーを持ったまま車内に入り、子どもをチャイルドシートに座らせ、そのまま降車せずに運転席へ移動できる。雨の日などに優しい。

タントの最大の特徴である「ミラクルオープンドア」(写真:ダイハツ)

さらにタントの後席は、背もたれを倒すと座面も連動して下がり、荷室は広くフラットとなって、自転車のような大きな荷物も積みやすい。荷室の使い勝手はタントが大幅に上まわる。

タントの後席はスライドも可能で、すべてのシートアレンジが左右独立式だ。前後席に座る乗員同士の間隔も広く、最大値は1120mm。タフトの900mmに比べて220mmの余裕があるから、後席に座る人は広さを感じるだろう。

走りのタフト、使い勝手のタント

ただし、広大な室内の代償として、タントは重量が重い。タフトの車両重量は自然吸気エンジンの2WDで830kgだが、タントカスタムXはそれより70kg重い。

エンジンスペックは同じだから、加速力ではタフトが有利だ。また、全高が低い方が重心も下がるから、走行安定性もタフトが勝るだろう。最低地上高はタフトが190mm、タントは150mmだから、デコボコの乗り越えやすさでも差がつく。

余裕のある最低地上高はSUVならでは(写真:ダイハツ)

運転支援機能は、タントの場合、ターボエンジン車のみにオプション設定だ。タフトは前述のようにGにオプション、Gターボには標準装備となる。しかも、タントはハスラーと同じく追従停車後に2秒を経過すると再発進してしまう。

タフトとタントを比較すると、居住空間や荷室の広さとシートアレンジではタントに分があるが、走行性能と安全装備ではタフトの方が勝る、さらに2WDの価格も、タントカスタムXは169万9500円、タフトGは148万5000円だから、タフトの方が20万円以上も安い。

タントは車内が広く荷室も高機能だから、これぐらいの価格差がないとバランスが取れないのだ。運転支援機能などは新しいタフトが先進的だが、実用志向のユーザーにとってはタントの方が魅力的に映るだろう。

なお、タフトのおすすめグレードは、平坦路の多い場所で使うなら、自然吸気エンジンのG。長距離を移動するならGターボを推奨する。ターボになると12万1000円高いが、アダプティブ・クルーズコントロールなどが標準装着されるので、ターボエンジンの正味価格は5万~6万円だろう。

遠方まで出かけることも想定されるSUV感覚の軽自動車だから、ターボも魅力的だ。あとは実車を試乗して、確認してほしい。

渡辺 陽一郎 カーライフ・ジャーナリスト

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わたなべ よういちろう / Yoichiro Watanabe

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまにケガを負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人たちの視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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