「ハスラー」と「ジムニー」の似て非なる価値観 ボディや車内、走りにおける相違点とは?
スズキ「新型ハスラー」のウリは、初代モデルよりタフで機能的になったことにある。
タフな軽自動車といえば、同じスズキの「ジムニー」があるが、FR(後輪駆動)の本格派四駆であるジムニーと、タフといってもFF(前輪駆動)ベースでアウトドア止まりのイメージが強いハスラーを比較することに意味があるのだろうか。
2018年夏にジムニーを購入した筆者は、そんな疑問を持っていた。
2019年12月24日に行われた新型ハスラーの記者発表でも、スズキ本社の開発、デザイン、営業など各部門関係者に取材したときも「ジムニーは林業などプロ向けが基本。当然、ハスラーと商品性は違う」とする声が多かったが、一方で「遊び心という点では、ジムニーと共通点がある」という見方もあった。
そこで、実際に2車を乗り比べて、両車のキャラクターを確かめてみた。
サイズは同じだがサイズ感は異なる
2020年1月28日午後、千葉県幕張エリアを拠点に開催されたハスラーのメディア向け試乗会に、筆者は自分のジムニー(XGグレード、4AT車)を持ち込んだ。
同日の午前中、幕張エリアの市街地や周辺の東関東自動車道をジムニーで走ったうえで、ハスラーを同じルートで走らせたのだ。スズキが用意したハスラーは、最上位グレードの「ハイブリッドXターボ4WD」と「ハイブリッドX 2WD」の2台だ。
ジムニーとハスラーを比べてみると、全体としてなんとなく似ている部分もあるが、やはり差は大きい。ボディ全体から感じられるサイズ感が違うのだ。
2ドアと4ドアというボディスタイルの違いは、当然ある。ボディ寸法は、どちらも軽自動車規格いっぱいの全長3395㎜×全幅1475㎜で同じだが、全高はジムニーが45㎜高い。だが、その数値以上に見た目の印象ではジムニーが背高に見える。
理由はボンネットの位置だ。エンジン搭載位置が大きく違うのである。ボンネットを開けた状態で2台を比べてみると、その差は歴然だった。
とはいえ、2台の雰囲気は似ている。いや、ハスラーがジムニーのデザインに寄せている。キーワードは、やはり「タフさ」である。
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