「ジムニー」生みの親が語る大増産の舞台裏

米澤チーフエンジニアへの独占取材・前編

1月11~13日に開催された東京オートサロン2019で注目を集めた「ジムニー」。写真はコンセプトモデルの「ジムニー サバイブ」(筆者撮影)

多くの自動車ファンが待ちわびたであろう、スズキの新型「ジムニー」の増産が2019年1月から始まった。

実に20年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型「ジムニー」。2018年7月の発売以降、同車に対する市場からの反響は、製造者であるスズキの予想をはるかに超え、あっという間に大量のバックオーダーを抱えた。

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2018年8月時点でスズキのディーラーに行くと、「納車は約1年先」と言われるなど、国内自動車業界の中では異例の事態に。発売時点での月間販売目標は、「ジムニー」が1250台、そして白ナンバーの普通車「ジムニーシエラ」は100台としていた。だが、それではあまりにも少なく、ディーラーやユーザーから、スズキに対して「ジムニー」の増産を求める声が高まるのは当然の流れだった。

【2019年1月31日追記】初出時、ジムニーの月間販売目標に誤りがありましたので上記のように修正しました。

今回の増産に至るまで、スズキの社内ではどのような議論がされてきたのか。そしてジムニーのこれからを含め、開発責任者であるスズキの四輪商品第2部チーフエンジニアの米澤宏之氏に独占インタビューを行った。

デザインは予想以上の好評価

――正式なリリースは出ないようですが、ジムニーの増産が決まったと聞いています。そもそも昨年の先行受注の時点では、どのような状況だったのでしょうか。

6月にティザーを出した時点で、先行予約でものすごい数の受注が入りました(先行予約台数は非公開)。当社の予想の何倍とは言えませんが、社会現象としては全国のディーラーに配布した商品カタログが足りなくなるほどの人気でした。

――その後、7月5日に東京・渋谷で記者発表を行いました。

インタビューに答える、米澤宏之チーフエンジニア(筆者撮影)

正直、メディアの反応は想像以上でした。まずデザインについて、好印象という声があまりにも多くて驚きました。われわれとしては当然、売れるクルマに仕立てたという思いがあります。過去の20年間の(市場における変化の)流れを十分に織り込んで売っていくことを心に決めていたので、売れる自信は十分ありました。ですが、メディアのみならず、SNSなどを通した一般ユーザーからの高い評価は想像以上でした。

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