「ジムニー」生みの親が語る大増産の舞台裏 米澤チーフエンジニアへの独占取材・前編

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――その上で、あらためて生産の場所と生産ラインについて詳しく教えてください。

生産は、(アルト、スペーシア、ワゴンR、ハスラーなど)軽自動車を製造している湖西工場(静岡県)です。旧型は磐田工場(同)で当時のエスクードなどと混流生産でした。

湖西工場での生産体制について、ほかの軽自動車と同じ製造ラインという表現をするかどうかは、各メーカーによる製造ラインの定義によると思います。ジムニーの場合、ほかの軽自動車とは車体がラダー形状でまったく違うため、とくに溶接工程はまったく別になります。

そうした中で、ジムニーの生産能力を上げるということは、ジムニーに対応する工場内のスペースを拡大することであり、製造ラインを新たに作るといったことではありません。増産する数についても、ほかの軽自動車を含めた生産計画によって違います。そのうえで、可能な限りジムニーの生産量を増やす努力をしています。

世界各国で順次発売していく

――ジムニーシエラをベースとした海外向けの生産はどうなっていますか?

生産は、国内向けと同じく湖西工場のみです。インドなど海外での生産の予定は現在ありません。海外仕様と国内仕様は法規対応などでごく一部で違いがある程度で、エンジンや足回り、タイヤも同じです。今回提示した2018年の生産実績に海外仕様は含まれていませんが、それを含めてジムニー全体での、国内向けと海外向けの台数のふり分けを行っています。

ジムニー車内での米澤宏之チーフエンジニア(筆者撮影)

海外では2018年9月からドイツ、次いでイタリアで発売しました。今後も、これまで発売してきた世界各国向けに随時、生産していきます。

――多くのバックオーダーを抱え、そしてやっと増産体制が整ってきたことについて、鈴木修会長からはどのようなことを言われていますか?

7月5日の発売時点で、鈴木会長からは、お客さまとディーラーの皆さまを「お待たせしてはいけない」という声を聞いております。

******

筆者追記】スズキとしては予想を遥かに超える大人気となっている「ジムニー」を、確実に世界各地のユーザーの手に届くよう最大限の努力をしているところである。米澤チーフエンジニア独占インタビューの後編では、ジムニー大人気の秘密と、東京オートサロン2019でのコンセプトモデルが注目されたジムニー・ピックアップ仕様の量産の可能性などについて詳しく聞いていく。

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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