2018年7月発売の直後から「納車まで1年待ち!」の大人気となっている、スズキの4代目「ジムニー」。東洋経済オンラインでは、1月30日に年初からの増産体制について、同車の生みの親であるチーフエンジニアの米澤宏之氏へのインタビュー記事を配信した。
そんな4代目ジムニーで、長年継承されてきたあるモノに注目が集まっている。タイヤカバーに描かれた「サイ」のロゴだ。このサイは、1981年に発売された2代目(型式SJ30)から採用され、3代目(JB23)を経て4代目まで引き継がれている、ジムニーにとって貴重なキャラクターである。
デザインしたのは、難波治氏。現在は、首都大学東京(旧都立大学など)のシステムデザイン学部・インダストリアルアート学科の教授だ。前職は、なんと富士重工業(現SUBARU)のデザインを統括する、チーフ・エグゼクティブ・デザイナー。2000年代後半から2010年代前半にかけて、アメリカを筆頭に日本を含む世界各地でスバルブランドが一斉に花開いた時期に、その基盤を築いた人物だ。
なぜ、スバルの元デザイナーが、ジムニーの「サイ」をデザインしたのか? 実は、彼が筑波大学芸術専門学群生産デザイン専攻で芸術学士を取得後、最初の就職先がスズキで、1979年から1993年までスズキに在籍した。その間に「サイとの出会い」があったのだ。
筆者は、難波氏が富士重工業時代にさまざまな場面でかなり深く意見交換してきた仲である。久しぶりに再会し、「サイの謎」について詳しく聞いた。
「心意気を感じる」
――4代目ジムニーが日本のみならず、世界各地で大人気です。この現状を、元スズキデザイナーとして、どう思いますか?
(この時代に)ラダーフレーム残して、軽自動車を作り込んだことが、スゴイ!(想像では)企画当初は(乗用車や一般的なSUVのような)フルモノコックだったはず。しかし、それではジムニーでない、という(お客様に対して)筋を通した物づくり。心意気を感じますね。
――なるほど、“心意気”ですか。
そう、企業としての心意気ですよ。3代目の後、長らく4代目量産の話が表に出ず、(個人的に)ちょっと不安あった。でも、インターバルが長くても、スズキがジムニーをなくしてしまうとはまったく思っていませんでした。
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