ジムニーのタイヤカバーに「サイ」が描かれる謎 デザインを担当した難波治氏を直撃した!

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「サイ」は、鎧をイメージするラインや遠近感を用いたデザイン手法で描かれた。よく見ると、サイの横のスズキのロゴが黄色い(筆者撮影)

――サイの隣にある、スズキのロゴが黄色なのは、なにか意味が? 当時のスズキのロゴが黄色なのでしょうか?

さあ、それはどうしてか、記憶がありませんね。

――サイに、名前は?

いや、とくに。サイは、サイです。そういえば、サイを決めてから、社内で「サイはないだろ?」とは誰も言いませんでしたね(笑)

デザインは30年前のまま

――それから30年、サイのデザインは、難波さんオリジナル、そのままなのですね?

はい、あのときのままです。2017年の東京モーターショーの、「イー・サバイバー」の後部に、「サイ」をモダンにしたデザインが使われたことがありましたが、量産では使われていません。

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――インタビューの最後に、現在のお立場で、カーデザイナーを目指す若者たちにメッセージをお願いします。

デザイナーとして持つべき能力、という観点では、自動車一本やりではいけないと思います。ですが、まずはクルマを好きになってほしい。最近は、免許はあるがカーシェアなど、自分専用のクルマがないことも多い。それでも、クルマが楽しいと思うことがあると思います。

******

【筆者追記】最近、ウチにある4代目ジムニーは、妹が運転し、助手席に高齢の母親が乗ることが多い。そんな彼女たちが、よく言う。「このサイちゃんがいるのといないのじゃ、ジムニーの雰囲気が全然違うのよね」。難波さんに本当に、感謝である。彼の近著『スバルをデザインするということ』(三栄書房)、読んでみようと思った。

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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