プロに聞く「子どもの作文力」劇的に上げる方法 ちょっとしたトレーニングで大きく変わる
方法を書く展開部分は、課題から離れて書いてかまいません。しかし、書き出しと結びは、課題のキーワードとなっている「木材」という言葉を生かして書いていきます。
反対意見に対する理解を入れ込む
いかがですか? 大人でもなかなか難しかったのではないかと思います。
続けて、もう一問、象徴課題を出題しますので、チャレンジしてみてください。
問2) 次の資料から、あなたが考えたことを分かりやすく書きましょう。字数は、五百字以上、六百字以内とします。 資料)いろいろな世界地図
解答例)
私たちは、普段、日本が真ん中にきて、北が上にある世界地図を見慣れている。しかし、それはあるルールのもとに作られた地図で、世界にはそれとは異なるさまざまな地図がある。
私は、物事をある一つの方向から見るのではなく、いろいろな方向から見ることができるようになりたいと思う。
そのためには、第一に、自分と違う意見の人の話にもよく耳を傾けることだ。この前、私は、納豆の食べ方について兄と口論になった。納豆をごはんにかけて食べている私に、兄は納豆だけで食べるほうがおいしいと言うのだ。試しに兄の言うとおりに食べてみると、納豆そのもののおいしさを味わうことができた。
第二には、自分の考えをいつも軌道修正できるように、柔軟な姿勢でいることだ。私は、算数でわからない問題があっても、とことん自分で考えるようにしていた。しかし、父から、まず解法を見たほうがよいと教えられた。最初は抵抗があったのだが、父に教えられたとおりにしてみると、無駄な時間を費やすことなく、勉強がはかどるようになった。
確かに、物事を一つの方向だけから見るというルールがあるから、世の中はうまく運営されている。しかし、それだけでは新しいものは生まれない。世界地図は、一方向からだけ見るものではなく、さまざまな国の人たちがさまざまな角度から見るためのものだ。私は、一つの考えにとらわれず、柔軟な見方ができるようになりたい。
<解き方のコツ>
世界地図が逆さまになったものと、日本が中心ではなくヨーロッパが中心になったものが並べられています。
先ほどの課題同様、何かを象徴しているが、具体的にどういうことが問われているかわからないという課題の場合は、人間の生き方や社会のあり方に関連させて意見を考えていきます。
この地図の場合、常識だと思えるようなことでも、他の立場の人にとってはそうではないことを表していると考えることができます。すると、異なる立場を理解することの大切さを考え、そのためにはどうしたらよいかという方法で展開することができます。
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