コロナ対策から考える「優れた戦略」「悪い戦略」

タイミングの問題を解決する4つの戦略理論

コロナ対策から考える「よい戦略」「悪い戦略」とは?(写真:makaron* / PIXTA)
WHOの発表で、コロナウイルス感染拡大の懸念4か国の1つに入ってしまった日本。社会の大変動とともに、企業もビジネスマンも変化への突然の対応を強いられています。
感染リスクを少しでも減らすため、人出は減り、リモートワークを採り入れる企業も増えてきました。『3000年の叡智を学べる 戦略図鑑』の筆者であり、ビジネス戦略コンサルタントとした国内外で活躍する鈴木博毅氏に、マスクの転売問題から各企業のテレワーク化など、私たちが迫られている「タイミングの問題」についてさまざまな戦略の観点から解説してもらいました。

 

「ファーストムーバ―」という戦略

今回のコロナウィルスの騒動で、いちはやくマスクを買い占めた人や、衛生関連の商材を他の地域から仕入れて転売して、大きな利益を得た人たちがいるようです。社会倫理的には、非難されるべき行為ですが、どんな状況であっても、戦略的に利益を狙っていち早く動く「ファーストムーバ―」が現れることは、これまでの歴史を見ても明らかです。

どのようなときに、どのような戦略が有利か。それは太古の昔から考えられてきました。古くは、孫子やアレクサンダー大王、カエサルといった人々の戦略論から、現代ではGAFAの企業戦略まで、実にさまざまな戦略が生み出されています。

「ファーストムーブ」は、先手必勝、いわゆる先行者利益ともいわれる「誰よりも先に動く」ことで利益が手に入る道。これは、手にしようとする対象が限定されていて、しかもあとから来る者がそれを手に入れることが難しくなる場合に当てはまります。

恋愛や結婚では、意中の人が誰かと交際を始めてしまえば、あとの人にチャンスがなくなってしまう場合があり、やはり先手必勝の要素があります(断られなければ)。

規制産業も同じく、指定業者が数社に決まり、それ以降は許認可などの関係で実質的に参入ができないケースもあるでしょう。

そういった意味で、マスクが不足する前に「その予兆に気付き」、全力で買い占めて、巷にその状況が起こるのを待ち構えていた彼らは、決して褒められた行動ではありませんが、戦略的に見ると「ファーストムーバー」だったと言えます。

次ページ「待ち構える」ことを得意とした、最強の戦略家は…
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