きっと、日本人の経験が役に立つ
長くなりましたが、物価が高い!という強烈なディスアドバンテージを跳ね返して、西アフリカで成功を収めている経営者たちは、先進国の経営者に負けず劣らず、すごい人たちだと僕は心から思いますし、彼らとディスカッションすることで、アフリカで生きていくためのビジネスノウハウを学ぶことができ、とても勉強になります。
そして、この物価高だからこそ、日本の企業の知恵と経験がアフリカの地でも役に立つと思います。オイルショック、国内の人件費の向上、中国とのコスト競争など、厳しい環境を乗り越えて競争力を維持してきた日本のモノづくりのスキルと技術者魂は、西アフリカの産業界のコストを下げていくヒントになるでしょうし、コスト高と戦うアフリカの人々に勇気を与えるに違いありません。
また、日本のノウハウを通じて、西アフリカの製造コストが下がっていくとすれば、貧困の削減にも貢献することでしょう。今日のマリの人々は、貧しい中、はるばる内陸輸送されてきた高い商品を買わざるをえません。そして、せっかく生産した金などの天然資源を輸出して稼いだおカネが、食料や日用品の輸入に消えてしまい、国内に富が残らないのです。
アフリカの人々が、自分たちが食べたり飲んだりするものを、自分たちで作れるようになるのは、経済発展の第一歩だと僕は思います。そのために、銀行員として、また、製造業の国・日本から来た人間として、どんなお手伝いができるか、考える日々です。
※本稿は執筆者個人の意見であり、世界銀行グループの公式見解を示すものではありません。
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