「高血圧」40代以上なら特に注意が必要になる訳 脳梗塞などさまざまな病気と関わりがある
高血圧とは、血液が血管内で示す圧力が基準値以上に高い状態をいいます。最も高い心臓収縮時の血圧(上の血圧)が140mmHg 以上、もしくは心臓拡張時の血圧(下の血圧)が 90 mmHg 以上だと、高血圧と診断されます。
血圧が高い場合の治療目標ですが、2019年に少し改訂されました。以前であれば、75 歳未満の人は 140/ 90 未満でしたが、130/ 80 未満に引き下げられました。 75 歳以上の人は、150/ 90 未満が、140 / 90 未満に引き下げられています。
なぜ基準を変えるのかと不審に思う人もいるかもしれませんが、近代の医療は多くの場合、EBM( Evidence Based Medicine )、つまり科学的根拠に基づいて行われています。
信頼のできる海外のデータが次々と発表されたので、これまでよりも、やや厳しい基準に改められたのです。欧米では先に改訂が行われており、アメリカを例にとると、高血圧の基準値が130 / 80 以上と定められました。その結果、国民の2 人に1 人が高血圧と診断されることになりました。それと比較すると、日本ではやや控えめに調整した印象です。
高血圧の根本的な問題はどこにあるのか
高血圧は、「基礎疾患」の代表的なもので、いろいろな病気の呼び水だといえます。「かぜは万病のもと」と、昔から言われてきましたが、高血圧もかなりの病気と関わっています。具体的には以下のような病気です。
脳梗塞、くも膜下出血、脳出血といった脳血管疾患、心筋梗塞・狭心症などの心疾患、慢性腎臓病、認知症などです。
では、高血圧の何が問題なのでしょうか。それは血管を老化させてしまうことです。動脈硬化(動脈の中に脂肪分がたまるなどして壁が厚くなったり、硬くなったりして働きが悪くなること)を進行させ、心臓の柔軟性を低下させるのです。
血管は、あらためていうまでもなく、栄養を全身に行き渡らせ体の機能を保ったり、老廃物を回収したりといった、大事な役割を果たしています。その道が傷むのですから、ことの重大さは想像できるでしょう。
しかも高血圧がやっかいなのは、自覚症状がほとんどないところです。少々血圧が高くても、気付かないことが多いのです。収縮期血圧(上の血圧)が 2 0 0 を超えていれば、頭痛がするといった症状はあるかもしれませんが、そこまで血圧があがっていると危険です。それまでに対処したいものです。
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