日立グループ、「金属」「化成」で不正相次ぐ事情 日立金属で10年以上の検査データ不正が発覚
日立金属の西山光秋会長兼CEOは4月27日に電話会見を開き、「現時点では安全性、性能に問題があるものは確認されていない」と説明したうえで、「顧客にご相談申し上げて、合意のもと出荷を継続している」と話した。業績に与える影響は現時点で不明という。
不正が発覚したきっかけは2020年1月下旬、安来工場で不正が行われているとの情報提供だった。社内調査を進めた結果、フェライト磁石と希土類磁石でも同様の不正が判明した。
西山会長は「不正は少なくとも10年以上前から継続していた」と説明。上層部も関わっていた可能性があるため、今後歴代幹部から聞き取り調査を行う方針とみられる。4月27日付で長島・大野・常松法律事務所の弁護士らからなる特別調査委員会を設置し、原因究明を急ぐ考えだ。
日立の中核子会社で相次ぐ不正
日立グループをめぐっては、中核子会社の日立化成でも2018年に産業用鉛蓄電池などで大規模な品質データ不正が発覚している。このとき、日立グループでは全社に総点検するように指示していたが、今回の不正を防げなかったことになる。
くしくも日立金属の西山会長は4月に親会社である日立製作所の専務兼CFOから転じたばかり。西山氏は「今回の不正と人事は関係ない」としたうえで、「(日立グループの総点検で)不正が把握できなかったのは私としても悔しい」と話した。
一方、日立化成に続く中核子会社での相次ぐ不正は日立グループ全体の問題ではないかとの指摘には反論。西山氏は「日立グループの問題というよりも、日立金属は(独立した)上場会社だ。責任を持って調査して説明責任を果たさなければならない」と強調した。
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