「テレワーク急増」で浮上する意外な落とし穴 マイクロソフト相談窓口に問い合わせが殺到
例えばマイクロソフトは、オンライン会議をサポートするMicrosoft Teamsを6カ月間は無償で提供するという発表を行っている。同様のプランはライバルのWebexをはじめ多くの企業が提供しているが、マイクロソフトは支援プラン提供の開始と同時に、無償でのテレワーク相談窓口を設け、これまでテレワークのノウハウを持っていなかった企業の悩みに対応しているという。
では、急増するテレワーク、リモート学習ニーズの中、待ったなしでテレワーク導入を求められている企業にどのような問題が起きているのか。
マイクロソフトの無料相談窓口から垣間見えるテレワークのハードルについて取材した。
テレワーク相談窓口から透けて見える「問題点」
マイクロソフトが無料相談窓口を設置したのは、コロナ禍の中で病院や学校、中小企業からの問い合わせが急増したからだ。テレワークやリモート授業を検討していなかった企業も多く、そもそも「何から手をつければいいのか」わからないユーザーが多い。
当初はどの程度、この問題が長期化するのか予想できなかったこともあり、各種イベントやセールス、マーケティングの会合、あるいは季節柄、新入社員向けの新人研修や株主総会の開催判断をギリギリまで遅らせていた企業や学校もあった。
そうした中で、短期間でどのようにしてオンライン開催へと切り替えられるのかといった相談も多かったようだ。
今後、さらなる長期化となれば授業のオンライン化も検討せねばならなくなるだろうが、問題発生当初は直近のニーズとして卒業式や入学式をオンラインで行うサポートを求めたのだろう。実際、立命館小学校はMicrosoft Teamsで卒業式、入学式を開催したそうだ。
もちろん、企業ユーザーのニーズも急速に拡大している。
筆者はある取材をMicrosoft Teamsで行ったが、コロナ禍の初期はニーズ急増に耐えられていなかったのか、映像も音声も途切れることが多く、最終的にはビデオをオフにしなければ円滑なコミュニケーションができず、音声だけで取材したことがあった。
急激なニーズ増加にシステム増強が追いつかなかったのだろう。
こうした問題があったことを認めたうえで、マイクロソフトではデータセンターの増強を続ける一方で、開発リソースをオンライン会議の体験改善に割り当てているという。
例えば動画圧縮を効率的に行うアルゴリズムを新たに開発してTeamsに導入。自宅からのオンライン会議の通信量を減らし、タイムラグや通信トラフィックの影響を減らそうとしている。完成次第、導入される見込みだ。
多くのオンライン会議システムはオフィス間の接続、あるいは仕事場の座席からの会議参加などを想定している場合が多い。もちろん、自宅からの参加もあるだろうが多数派ではなかったはずだ。しかし、今や状況は一変した。
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