日本人よ、「語学マゾ」は、もうやめよう

元イェール大助教授が伝授!最強の英語勉強法(2)

小泉総理の英語が「うまい」と言える理由

――それはすごい。日本式の「Repeat after me.」とはまた随分違いますね。

リチャード・レヴィン前イェール大学総長(左)と小泉純一郎元首相(右)。両者の会談時に斉藤氏は通訳を務めた。

日本の語学教育においては、まさに発音の専門家が不足している状況です。発音について正確な知識を何も持たない人が、見よう見まねで覚えた音を、それぞれの「感覚」で教えている。だから学生たちが正しい発音を学べるチャンスはほとんどありません。

この現状はいわば、病理学の知識を持たない医師が内科医をしているようなものですから、考えてみると恐ろしい現実ですよね。これでは日本人の英語の発音が改善されないのも当然です。

――発音については「日本人がネイティブのレベルを目指す必要はない。意思疎通ができれば十分だ」という意見もあると思いますが、それについてはどうお考えですか?

たしかにそういう面はあると思います。以前、小泉純一郎元総理の通訳を担当したことがあるのですが、ある意味で小泉総理は「十分な」英語力を持っている方だなと感じましたね。

彼は会談や交渉の場面でももちろん通訳を介してはいるんですが、相手が話す英語を自分でもある程度理解できていた。ですから、同時通訳が翻訳している時間を利用して、「次に何を言おうか」と頭のなかでまとめている。そんな印象でした。また、発音は完璧ではないけれど、「ここぞ」というところで簡潔かつ効果的な英語フレーズを言える。

個々人の役割やポジションに照らして、適切な英語力がありさえすればいい、ということを否定したいわけではありません。 

ネイティブに発音を学んではいけない

ただ、「『使える英語』を最短ルートで身につける」という目標を考えた場合、やはり最終的には、まず正しい発音を習得したほうが無駄は少なくなります。学習の効率、知識の定着度、いずれにおいても、音声から入る学習とそうでない学習とでは、歴然たる差が出ますよ。だからこそ、J Prep斉藤塾でも、音声のトレーニングを徹底しているわけです。

――となると、やはりネイティブの発音に触れながら、発音をトレーニングするべきなのでしょうか?

本来、発音については、音声学の知識のある方にマンツーマンで指導してもらうのがいちばんです。「ネイティブと会話していれば、そのうち発音がよくなる」と思っている人がいるようですが、それは完全な誤解ですね。

日本語ネイティブである私たちは、日本語の音をどのように発声しているか、ロジカルに説明できません。それと同じように、大抵の英語のネイティブスピーカーも、どうすれば「th」の音をきれいに出せるかと聞かれても、うまく答えられないのです。

それに彼らは、私たちを「非ネイティブ」と見なしているわけですから、少しぐらい発音が変でも、いちいち指摘してはくれません。

逆の立場で考えてみてください。ひどい英語なまりの日本語を話す外国人と会話をしていて、一つずつ発音の間違いを指摘する気になるでしょうか。多少おかしくても目をつぶろうと思いますよね。

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