「理不尽なダメ出しをする人」に打ち勝つ超戦略 大切なのは"相手のパターン"の見極めだ

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しかし、相手と信頼関係があると思っていたのに「あなたのあの言動はダメだった」「なぜああしなかったんだ」とダメ出しをされてしょんぼり。相手との心理的距離感もできてしまい、高かったモチベーションもグッと下がってしまった、こんな経験はありませんか。

自分としては信頼されていると思っているゆえ、ショックは大きなものがあることでしょう。おそらく、その後は近づきたいと思えず、お互いの距離も空いてしまうことになります。こうしたダメ出しをしてくる、心理的な背景はどのようなものなのでしょうか?

まずよくあるのが善意のMSMによる、教育的な見地です。相手のために、よかれと思ってダメ出ししてくれる人とも言えるでしょう。仮にトゲがありカチンとくるような言い方であったとしても、基本的には感謝したい存在といえます。

よかれと思って言ったダメ出しで信頼関係が壊れたら

ただ、よかれと思ったという動機のなかでも、主観が入っているケースは少々厄介です。単にイライラしたから指摘をしたというように、その人の主観や気分によって左右されるダメ出しは、言われた本人にとっては理不尽なものに感じられるからです。

いずれにしてもダメ出しをした人には、その後に共通して感じることがあります。それは、相手を傷つけてしまったかもしれないという罪悪感です。教育的見地であっても、イライラしてダメ出ししてしまったとしても、ダメ出しした本人は、後で「言いすぎたかもしれない」と感じる人が大半なのです(もちろん、例外的に感じない人もいるとは思います)。

実は、かつて自分も知人に対して「いまの言い方では、周囲に支持されないよ」とダメ出しをしたことがありました。業績好調で周囲からもチヤホヤされていた知人が会社の社長に「ここまで急成長してこれたのは、自分の力量だ」と自意識過剰とも思える発言をしており、さすがに気になったため軽くいさめたのです。

ただ、そのダメ出しをきっかけにして、関係は疎遠になってしまいました。知人が自分を避けるようになったのです。定期的に開催していた知人数名での食事会に誘われなくなったり、SNSの友達リストから外されたりしました。さすがに「普段の自分からしてみたら、きつい言い方をしたのかもしれない」と、反省する機会になりました。

明らかに距離を置かれたら、自分から無理に近づくのも気が引け、そのまま縁が切れてしまいました。もし知人から声がかかれば、気にせず喜んで付き合いは続けたいと思っていたので、後悔の残る出来事になりました。このようにダメ出しによって信頼関係が壊れた経験がある人は、意外と多いものです。理想的な回答をするならば、お互いが歩み寄って信頼関係を再構築すべきだとは思います。

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ただ、過去にダメ出しをして後悔している立場から言うと、ぜひここで指摘を受けた人が歩み寄ってきてほしいと思います。言った本人は、おそらく「言いすぎたのではないか」「傷つけたのではないか」と気にしているからです。

相手への嫌悪感にはひとまずふたをして「ありがとう、これからもよろしく」と感謝の言葉を述べていきましょう。仮によかれと思ったダメ出しであれば、意図が伝わったと信頼関係がさらに深まります。仮に感情的なダメ出しであったとしても、感謝の言葉をくれた人に対してさらなる悪意を仕掛ける人は少ないはずです。

つまり、歩み寄ることはプラスしかありません。まずは言葉だけでも感謝を伝えるように意識をしてみてください。それがきっと、モヤモヤを解消し互いの関係性を改善するきっかけになるはずです。

西野 一輝 経営・組織戦略コンサルタント

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にしの かずき / kazuki Nishino

大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。

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