リクルート、東南アジア攻略のカギは? 「ローカライズ」の戦略のキーマンに聞く

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リクルートは、合弁会社にそれぞれ2人ずつの社員を派遣し、また域内の事業を統括する伊達氏がシンガポールを拠点に各国を飛び回るなど、資本にとどまらず、人やノウハウを積極的に投入している。その際、最も大切にしているのは、「それぞれの国のマーケットに向き合う」ことだという。

リクルート流 サービスローカライズの策

インドネシア「PegiPegi」

インドネシアで展開する PegiPegiでは航空券との連携機能に重きが置かれている。これは、インドネシアが島国であるために、旅行者が国内を移動する際にLCC(ロー・コスト・キャリア)が多く利用されるからである。

インドネシアはeコマース市場が急成長しており、オンライン旅行予約サイトだけでもいくつもプレーヤーが存在することから、利用者がより使いやすいユーザーインターフェースの設計やSEO対策など、ウェブサイトそのものの改善が注力事項とされている。

また、これは域内に広く言えることだが、クレジットカード決済がまだまだ少ない。そもそもクレジットカードを持っている人が少なく、オンラインで第三者に個人情報を渡すことに消費者が不慣れなことが背景にある。また、インドネシアは依然としてインターネットのインフラが弱く、サイトでの決済中に回線が切れることへの不安もその一因。

実際、PegiPegiでの決済のうち、クレジットカードは25%、銀行振り込みなどそのほかの手法が75%である

ベトナム「Mytour.vn」

ベトナム Mytour.vnの特徴は、コールセンターの存在を前面に打ち出していることだ。インドネシア同様にベトナムの利用者の多くも、オンラインでモノを購買することに慣れていない。コールセンターで人を介して対応することで、安心感を提供している。

コールセンターのオペレーターたちの対応も通り一遍ではない。利用者からは「海が見えるホテルに泊まりたい」など希望する旅行先のイメージが伝えられることが多いため、オペレーターはそれに沿ったホテルを、独自に割り出した評価を踏まえて提案する。まるでコンシェルジュのようだ。

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