東大生がやっている「本を10倍ラクに読む」技術 「読解力」なんてなくても本はスラスラ読める

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繰り返しになりますが、東大生は「読解力」が優れているわけではありません。読む前の準備をする力が優れている場合が多いのです。

「読解力」があるわけではないのに「読める」のはなぜ?(『マンガでわかる東大読書』より)

例えば、皆さんは本を読むとき、どのように読み始めるでしょうか? 初めから読み始める人もいれば、とりあえずペラペラページをめくってみる人もいると思います。

しかし東大生は、まず本を読みません。読む前に、その本を読む準備をするのです。

東大生は「読む前の準備」に力を入れる

「読む前の準備」として一番わかりやすいのは、表紙やタイトル・目次を読む方法です。

表紙やその文言を見て、「一体どういうことが書いてある本なのか」「タイトルからどんな中身が推測できるか」といったことをしっかり考えたうえで、本を読むのです。

読書は「読み始める前」から始まっているといいます(『マンガでわかる東大読書』より)

推測したうえで文章を読み始めるから、読んでいても「ああ、そうだよね。こういうことが語りたいんだよね」と、方向性を見失わずに読み進めることができるのです。

だから東大生は、入試問題における現代文の解き方も独特です。東大生は、国語の長文問題で、文章から先に読み始めるようなことはしません

文章のタイトルや問題文、リード文や注釈といった、その文章の中身を推測できる部分を確認し、「多分こういうことが書いてあるんだろうな」「こういうことが読解できれば点が取れるんじゃないかな」ということを把握したうえで、文章を読み始めるのです。

例えば今年の東大入試に出た文章のタイトルは「近代の原罪」でした。ということは、この文章の中では近代と近代以前が対比されて、近代という時代にはなんらかの「悪い点」がある、と書いてありそうだとわかりますよね?

これは単なる「受験テクニック」ではありません。実は、今年の東大入試では、「近代の原罪」というタイトルをきちんと見ておかないと点が取れない問題も出題されていたのです。ということは、「読む準備」をする習慣は、東大が受験生に要請しているものだと解釈できるのです。

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