東大生がやっている「本を10倍ラクに読む」技術 「読解力」なんてなくても本はスラスラ読める

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例えばタイトルが『パイナップル売りの少女』だったら、なんだか明るくて陽気な女の子がイメージされますよね? 「マッチ」という、火が儚(はかな)く消えてしまうイメージのあるものを売っている。だとしたら『マッチ売りの少女』は物悲しい物語なのかもしれないと予想できてしまうわけです。

このように、タイトルはいろんなことを教えてくれます。『反世界史論』だったら「世界史という現在の枠組みが間違っている」と主張する本なのかもしれないですし、『近代の原罪』だったら「罪」のニュアンスがどこかに含まれているはずで、近代を否定したいがために書かれた文章だと推測できます。

「なぜこの文章に、このタイトルをつけたのか?」

それを常に考えながら本を読むことで、文章の内容をある程度推測しながら読むことができるようになるのです。この訓練を普段からやっていると、「読む準備をする力」は格段に高まるのです。

最初に「要約」を読めば、誰でもスラスラ読める!

読む準備3:要約を探す

東大生がやる「読む準備」、その3つ目の方法は「要約を探す」です。

要約とは、本の中身がざっくりわかるまとめです。本を読んでから要約を読む、という人が多いと思うのですが、これははっきり申し上げて間違いです。順序が違います。東大生は、要約を読んでから本を読むのです。

自分が今から読もうとしている本の中身がわかりやすくまとまっている要約はないかと探し、見つけた要約を事前に読んでしまってから、本を読むのです。

例えばフライヤーという、いろいろな本の要約がわかりやすくまとまっているサイトがありますが、これを利用している東大生は多いです。

また、東大のゼミでは、役割分担をして1人ひとりが違う本を要約し、みんなで共有し合うことが多いです。「要約が手に入るなら、本文は読まなくていいや」と考えてしまいそうなものですが、しかし東大生は、要約を読んでいるにもかかわらず本文まで追おうとします。

要約はあくまで要約で、きちんと自分で読んでみないとわからない……と考えて、周りの人から共有された要約を読み終えたら、それを役立てつつ、本文を読むのです。

そして今、本の要約は探せば簡単に見つかります。先ほど紹介したフライヤーもそうですし、「中田敦彦のYouTube大学」では文学作品の要約が読見られます。「モチベーション紳士」というYouTubeチャンネルはビジネス書を要約してくれています。これらのYouTubeを活用し、事前に要約を確認してから本を読んでいる東大生も少なくありません。

誰も、読む前からその本の内容を知ることはできません。だからこそ「読む準備」は難しいのです。

しかしここで紹介してきたように、事前知識を得ておいたり、タイトルから推測したり、要約を読んでおくことで、準備ができるのです。

『マンガでわかる東大読書』を読む前に「準備」したい方は、こちらから西岡壱誠さん本人による解説をお読みいただけます!(『マンガでわかる東大読書』より)

いかがでしょうか? 「読解力がない」と嘆いている方でも、実は工夫によって簡単に読書の質を上げ、読解できるようになる「読み方」があるのです。皆さんぜひ、試してみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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