柴田陽子「営業せずとも売れる」生き方の根底

どんなつらい体験も受け止め方次第で糧になる

柴田に言わせると、コンセプトを設定するためには次の3つの要素が必要だという。

① 自分の特徴、長所を見る――特徴や長所を伸ばすことが一番自然であり早いので、自分のよさを整理することから始める
② 敵(競合)を整理する――敵は、どういう特徴で売り出しているのかをチェックする
③ 長続きできるかどうか――ブランドが定着するのには時間がかかるため、続けられないことで設定しても、長続きしなかったらブランドは伸びない

つまり自分の特性を生かして、敵の中で戦えるスペースで長く続けられることを合わせてテーマを作るということが大切なのだという。

最初から「夢はない」のに成功が転がり込んでくる

柴田の過去を知らずに仕事の実績を見ただけだと、最初からブランディングに関わる仕事に邁進してきたと思う人がいるかもしれないが、本人に言わせれば「相当に行き当たりばったり。そもそも私には『〇〇になりたい』という夢はありませんでした」

取材では働く女性、母親ならば誰も行きつく等身大の悩みも語ってくれた(撮影:梅谷 秀司)

2018年9月10日放送の「NHKプロフェッショナル 仕事の流儀」では、柴田陽子の“夢がないからこその強さ”を伝えている。一般的には、夢を持つことが大事だと言う人が多いが、柴田は逆だ。

型にはめられた夢がないからこそ、固定観念や先入観を持たずに、目の前のクライアントの希望に柔軟に寄り添って、最善の道を模索できるという。

「子どもには、夢を持つことよりも、目の前にあることの取り組み方の“型”を教えたい」と柴田は語る。

夢が見つかったときに、夢へのアプローチの仕方を知らないとその実現は難しい。情熱だけでなく、1つの成功例の型を知ることで、自分なりの夢への近づき方を見つけていけるのだろう。夢がないことにコンプレックスがある人に対して、目の前の頼まれたことに全力で応えるところからはじめてみるというアプローチを示唆しているようだ。

「はっきり言えるのは『思考回路が良かった』ということ。成功に向かう回路を自分で意識的に開発してきたから、今があるのです。
(中略)「思考回路」は「考え方」とはちょっと違う、ということです。考え方というよりも、より客観的に構築できるものと言ったらいいでしょうか」(『勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密』より)
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