新型コロナ危機でインフォデミックが危ない 高齢者も含めデジタル利用も急速に拡大する
また、情報収集にTwitter等のSNSを利用する若年層であっても、新型コロナウイルス感染拡大に関して「まとまった情報を正確に知りたい場合」は、SNSを使用しない人が多いことが示された。SNSは情報の即時性は高いものの、きちんと裏付け・精査が行われた情報であるかどうか判別がつかないことが認識されている。
新型コロナウイルスに関する情報収集手段としての各媒体の信頼度について聞いたところ、SNSの情報を信頼している人は2割程度しかいなかった。この背景には、これらのメディアで流されるフェイクニュース、あるいは誤情報の問題がある。また、7割以上の人が新型コロナウイルスに関連したフェイクニュースを見聞きしている。
フェイクニュースがあふれている
アメリカでフェイク・ニュース対策に取り組む、ファクトチェック団体「First Draft News」のクレア・ウォードル氏によれば 、フェイクニュースとは偽情報(disinformation)のことであり、人々を欺くため、あるいは注目を集めることだけを目的に作られた情報を指す。それに対して、不注意で共有された誤った情報は誤情報(misinformation)である。誤情報は、発信元が間違いに気づけば直ちに訂正されるが、偽情報はむしろ拡散が主目的である。
われわれはアンケート調査で、新型コロナウイルスに関する「フェイクニュース(と思われるもの)」を見聞きしたかについても質問した。つまり、この情報は間違っているのではないか、しかもその背後に悪意や愉快犯的な要素、あるいは注目を浴びることが主目的だと感じたことがあるかを尋ねたことになる。その回答によると、修正後 新型コロナウイルスに関する「フェイクニュース(と思われるもの)」を見聞きした人は、「よくわからない」と回答した人を除けば7割近くにのぼり、2回程度~4回以上見聞きした人は50%に達した。