新型コロナ危機でインフォデミックが危ない 高齢者も含めデジタル利用も急速に拡大する

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フェイクニュースを見聞きした情報媒体としては、テレビ(民放)、インターネット検索サイト、Twitterが多く挙げられた。ただ、テレビ(民放)は、フェイクニュースの発信元というよりは、フェイクニュースに関する注意喚起や、専門家による検証コーナーなどを見聞きしたことが、調査結果に反映されたものと思われる。

またGoogleやYahoo!などのポータルサイトも、それ自体がフェイクニュースを作ったというよりは、意図せず第3者の作ったフェイクニュースを掲載していた、あるいはフェイクニュース先を検索結果として表示していたことが考えられる。

それに対して、TwitterなどのSNSは、それ自体がフェイクニュースの発生源となっている可能性が高い。発生源には人間だけでなく自動プログラムも含まれる。Twitter上に存在する、人間に成りすましたボット(自動化されたタスクを行うプログラム)のアカウントを検出しているBot Sentinelというサイトによれば、4月7日の24時間に、#covid19でツイートしたボットアカウントの数は715あると報告されている。

もちろんSNS上には、人間が投稿し、かつ人を欺く意図がないものも存在するだろう。「〇〇がウイルスに効くのではないか」という仮説が、拡散の過程でいつの間にか「〇〇がウイルスに効く」という断定調のニュースに変容する場合もある。

フェイクニュースに動かされる

この場合は、フェイクニュースというよりは訂正されないままの誤情報、と呼ぶほうが正しいのだろうが、いずれにしても誤った(あるいは最初から偽の)情報が人為的、あるいはボット経由でまずSNS上で拡散し、ある一定数に達すると、インターネットニュースやテレビ(民放)などでも取り上げられるようになる。

新型コロナウイルスに関しては、「マスクとトイレットペーパーの原料は同じ」「新型肺炎の影響でトイレットペーパーが今後なくなる」といったフェイクニュースが拡散したことによって、実際にトイレットペーパーを買いだめする人が殺到し、トイレットペーパーだけでなく類似商品まで品薄を招いたことは記憶に新しい。

また、納豆がコロナウイルスに効果があるという情報が流れると納豆が品薄になるなど、実生活に影響を及ぼす事態がいろいろと起きている。「熱でウイルスが死ぬ」「お湯を飲めば予防できる」という情報も、それを頼りにしてウイルスに臨んでしまっては人命にかかわる可能性もある。

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