「全社一斉リモートワーク」1カ月で見えた極意

クラウド会計「freee」佐々木大輔CEOが語る

当社に派遣をお願いしている会社との契約も、勤務地を変えるのが難しく最初は苦労した。ただ今は世の中全体が動いているので、むしろ派遣会社が派遣先に勤務地変更の交渉をするようになっているようだ。

契約書の押印はいまだに課題になっている。社内稟議は電子化されているので問題ない。社外との契約も電子契約ツールを導入しているが、電子化できているのは先方から同意をもらったときのみだ。

契約先が押印がないと契約として認めないというルールになっていると成立しない。そのため、週に1回、押印日を設けて、担当者が出社せざるを得ない状況だ。一部にはメールなどで同意していれば、契約のための押印は後日で構わないという企業も出てきている。緊急事態だからこそそうした動きが広がってほしい。

意外とわからないビデオ会議のコツ

――もともと業務上行っていた取り組みで強みとなったことは?

離島でリモートワークしている社員がいて、リモートワーク自体をスキルとして持っていた(https://developers.freee.co.jp/entry/remote-work-simple-guide)。全社でリモートワークに移行した際も彼が中心になり、ビデオ会議で心得ておくことなどを社内外に共有した。

例えば、PCのマイクとスピーカーではなくヘッドセットを使う、声だけだと集中できなかったり聞こえなかったりするのでビデオ会議ツールの画面共有機能で資料を映す、いつもよりリアクションを大きく取る、といったことだ。

ペーパーレス化や契約の電子化を進めていたが、それでも請求書などの紙の封書がリモートワーク移行後も届いているため、一部の社員が出社して確認する必要があるという(写真:freee)

また、従来からペーパーレスを進めていた。会議資料はオンラインで共有する。取引先からもらった紙の資料は電子化し、今後はメールで送ってくださいとお願いするなど、紙を受け渡ししない運用になっていた。

営業活動も、画面共有機能を使って実際に営業先に訪問しない方法を進めてきた。客先から「在宅での営業が上手ですね」「マイクは何を使っているんですか」と聞かれることも増えた。ビデオ会議だと対面よりもついつい事務的になりがちで、相手の集中も切れやすい。アイスブレイクの雑談を入れたり、一方通行のプレゼンテーションにならないよう、説明していることを資料で示したり、理解しているか確認を取りながら進めている。

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