コロナ危機の今は「人が幸福を考える」チャンス VCと起業家が挑む「可能性」というサードドア
平野:私もメンターが20人ほどいます。課題があれば、自分ひとりで考えるよりも、経験者に聞いたほうが早いわけですよね。ですから20人の方々にその都度すぐ相談するようにしています。みなさん得意分野が違うので、とても助けられています。
アレックスは、インサイドマンを頼ってビル・ゲイツにたどりつきますが、私もメンターの方々に「こういう人に会いたいです」とお願いして、紹介してもらうことがありますよ。
後藤:私は、この人が「師匠」だ!と思ったら、夜中でも朝でもその人に呼ばれたら必ず行くと心がけています。師匠を囲んで集まると、そこにカバン持ちのような若者がいたりします。その人が起業すると、実は自分のライバルになったりするんです。
インサイドマンを介したそうした小さなコミュニティの中で出会った仲間と、切磋琢磨している。みんな起業していますから「当たり前」の基準が高くなりますし、自分にとって健全な危機感を持つためのいい刺激になっています。
杉山:弊社は大企業のサポート事業ですから、まずは日本の大企業の方に信頼して事業を任せてもらわなければなりません。でも、創業まもないスタートアップにとってはかなりハードルが高くて難しい。
僕の場合は、自分よりも3まわり以上年上の世代の方々に本当に助けられました。百貨店全盛期時代に、中国や東南アジアに挑んで苦労された世代の大企業の方々には、実は今の僕と同じ課題感を持たれている方が多いんです。貴重な助言や、手助けをしていただいたり、普通では会えない方を紹介していただいたりしました。
インサイドマンとどう出会うか
近藤:みなさんインサイドマンとはどのように出会われたのですか?
後藤:私は、金融庁のインサイドマンを見つけるために手紙を書いたことがあります。「ペイミー」は当初、ビジネスモデル自体が「貸金業ではないか」という疑問の声があったんです。
そこで、1年以上、国と折衝を重ねた末に、ようやく金融庁から「ペイミー社のモデルは貸金業には該当しない」というお墨付きをいただきました。
そうなる過程で、金融庁の局長クラスの方となんとか仲良くなりたいと考えました。当時「年金2000万円問題」で炎上した局長が辞職したという報道を見て、僕はすぐに手紙を書いたんです。「共感しました。お食事をご一緒していただけないでしょうか」と。そこからつながりを得て、金融庁のインサイドマンを教えてもらいました。
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