コロナ危機の今は「人が幸福を考える」チャンス VCと起業家が挑む「可能性」というサードドア

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僕にとっての頂上は、自分のサービスの提供先から「ありがとう、業界変わったよね」と言ってもらえたときですね。金銭的なものより得がたい、そのためだけにやっていると思えるものがあります。

平野:私は、人類の進化の幅を最大化するために自分の人生を使いたいと考えているんです。人類は火を発見し、石器を作り、車輪を発明し、コンピュータ、スマホと発明してきました。同じ発明をするなら、より大きな発明に取り組みたい。

先ほども働き方の話をしましたが、私は負の感情がすごく嫌いなんです。自分だけでなく、他の人が思っていることもイヤ。いまは特に働くことに負の感情がありますよね。長時間労働しかり、上司との関係しかり。そもそも昭和的な終身雇用が幸せとは言えません。

AIによって、人がもっと有意義な時間を過ごせるようになれば、それぞれが得意なことに取り組めるようになる。「シナモンAI」が大成功して、みんな「働くことがハッピーになった」となれば、成功です。

100年後の歴史の教科書に載れたら成功

後藤:実業家のジャック・ウェルチさんは「イノベーションとは、継続的な絶え間ない日常業務の連続から生まれる」と言っています。1%のひらめきを見つけるためには、99%の日常の小さな努力を積むことが必要で、それがサードドアを開けることになるのだと思います。

これからもドアを開けつづけていきたいですね。そして自分は、100年後の歴史の教科書に載れたら成功だと思っています。

近藤裕文(こんどう ひろふみ)/サイバーエジェント・キャピタル(CAC)代表取締役。サイバーエージェント投資戦略本部長(藤田ファンド)。明治大学卒業。2001年国内系大手PR会社入社。コンサルティング業務を経験。2003年サイバーエージェントに入社、デジタルマーケティング業務に従事し、2006年博報堂とのJVの立ち上げなどを経験。 2013年サイバーエージェント・ベンチャーズ(現CAC)取締役に就任。2018年同社代表と藤田ファンド事業責任者に就任。現在8ヶ国10拠点にてインターネット関連事業への投資・サポートを実行(撮影:尾形文繁)

近藤:みなさんのお話に共感しますね。ベンチャーキャピタルは人間の可能性そのものにかける仕事です。われわれは、シードの段階で投資をするため、まだ誰も実現していないことを、時には未完成の事業計画書の段階で見極めなければなりませんが、未来の成功を一緒に信じることができたその先に成功があるのだと思っています。

平野:VCは「ブロックチェーンに投資する」というようなテーマ投資される方が多いのですが、サイバーエージェント・キャピタルさんは、人に対する投資というウエイトが大きいように感じています。

近藤:はい。人物への投資なんです。われわれは平野さんのように新しい産業を創造する起業家に投資をしてきました。『サードドア』も、最後は人々に可能性を与えることをミッションにしたいと書いていますし、アレックス・バナヤン本人がVCになっていますよね。

みなさんは、サードドアを開けて自分の道を進んでおられますが、きっとこの先、若者たちに追いかけられるドアの向こう側の人になってゆくのだと思っています。今日はありがとうございました。

泉美 木蘭 作家・ライター

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いずみ もくれん / Mokuren Izumi

1977年三重県生まれ。24歳でイベント企画会社を起業し、即刻倒産。借金返済のために働く日々をつづったWebサイトが話題を呼び、作家デビュー。以降、週刊誌やWeb媒体等で執筆。TOKYO MX「モーニングクロス」「激論!サンデーCROSS」などテレビ番組でレギュラーコメンテーターとして出演。著書に『オンナ部』(バジリコ)、『エム女の手帖』(幻冬舎)、『会社ごっこ』(太田出版)等。趣味は合気道とラテンDJ。

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