コロナ危機の今は「人が幸福を考える」チャンス

VCと起業家が挑む「可能性」というサードドア

今後、仕事のAI化は進んでいくと思いますが、今回のコロナ禍で企業が初めてリモートワークを体験するという段階にやってきました。でもまだ「やりづらいよね」という声があります。そこをAIでうまく改善することで、世の中を変えていけると思っています。いいきっかけにしたいです。

後藤:自分は今の状況を、ヒーローが生まれるタイミングであり、革命が起きるチャンスだと思っています。戦争や感染症など、マクロ環境が大幅に変化するときこそ、強いリーダーの登場や革命的なプロダクトの誕生があります。インターネットに関する技術の開発も戦争がきっかけですよね。

強い逆風があると、それを追い風に変えて人間が進化するチャンスになるんです。働き方改革もリモートワークも、今回の新型コロナが転機になるでしょう。そして、お金そのものへの価値観も少しずつ変わると思います。ここで縁の下の力持ちとして、新しいヒーローになり、革命を支えていきたいですね。

近藤:僕たちVCの仕事として、資金調達支援もありますが、なによりも新しい価値観、新しい産業、新しい事業モデルを世の中にどれだけ送り出せるかが問われていると思います。これをチャンスと捉えたいですね。

成功の定義をどう考えているか

近藤:みなさんは、成功の定義をどうお考えですか?

杉山:『サードドア』には、アレックスが、成功者には何か特別な出来事があって、一夜にして大成功したのではないかと思い込んでインタビューするくだりが何度もありますよね。でも違うんだと後で気づく。まさにここだと思います。

杉山大幹(すぎやま たみき)/バベル代表取締役社長。2013年East Venturesにてアソシエイトとして出資先支援を行う。2015年メルカリ(ソウゾウ)にて、新規事業の立ち上げおよびアプリのプロデューサーを務める。2017年バベルを創業(撮影:尾形文繁)

なにかを成し遂げるということは、自分がやりたいことをやっていくその過程すべてのことであって、世の中では、その長い長い過程のほんの一瞬を切り取ったものを「成功」と呼ぶだけなんです。

人生は続いていくものですし、経営においても50年、100年と続いている大企業には、意思や社会的ミッションがあって、それを継承していくものですよね。

町野:過程こそが成功ですよね。僕は採用の際によく「ベンチャーはエベレスト登山ですよ」と話しています。大手企業で働けば、暑いときに冷房、寒いときに暖房がある。でもベンチャーは登っていくときはひたすら苦しくて、寒いし暑い。足を滑らせたら大変なことになる。

ただ、一歩一歩登っていくと必ず頂上に到達できるし、振り向いたときの景色は感動的です。ヘリコプターでたどり着いた高いところから見下ろしたのでは意味がないよと。僕は、この話に共感してくれる人だけを採用するんです。

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