五輪1年延期で考える代表内定選手の処遇問題

4年かけた努力「幻の代表」を生まないために

オリンピックの延期は史上初のことになったが……(写真:ロイター/アフロ)

東京オリンピック・パラリンピックが1年程度延期になった。

今後さまざまな問題が噴出する。決定直後から日程・会場・チケット・追加費用・ボランティア……いったいどうするの?という話題で、テレビの情報番組などでは持ち切りだ。2013年9月に東京開催が決定してから7年間、開幕に合わせて準備してきたことが1年延期になって、1日、2日でどうするかが決められるはずがない。新型コロナウイルスに対して楽観的になってはいけないが、今は1年後のことを悲観しても仕方がない。

今回の延期決定のプロセスでほとんど顔が見えなかった森喜朗・組織委員会会長は「大変残念だという思いと、やれやれという思い。ホッとした気持ちもあるが、やれやれで済ませる問題でもない」と会見で吐露した。

1年後については「科学技術がこれだけあって、世界中に多くの科学者がいて、そして医療、薬学、いろんなものが進歩している中でですね、これに期待するしかないんじゃないでしょうか」とも話した。今はこの「希望」を持つことも重要だ。

欧米で「延期決定が遅い」という論調もあるが、新型コロナウイルスの感染が欧米で急速に拡大したのは3月に入ってから。それまではアジアのこととして「東京に行きたくない」だった。ロンドン市長選候補が「ロンドンでやる」と言い出したのが2月21日。今どう考えているのか聞いてみたい。

延期が決定するまで紆余曲折

多くのオリンピック代表選考に関わる大会が延期、中止となり、代表も決められず「東京に行けない」となり、今年のオリンピック開催は無理というのはみんな思っていたことだっただろう。

誰が言い出すかが問題だった。IOCのバッハ会長がWHOにげたを預ける発言で批判を受けたり、日本でも安倍晋三首相はじめ関係者は「開催する」と言い続けた。安倍首相は途中から「完全な形で」と付け加えた。

このころから「延期」が視野に入っていたはずだ。一連の動きを見ていると、感染の急速な拡大で一種ヒステリー状態で「中止」となっていたムードを「延期」に変えるための時間が必要だったと想像できる。

この延期決定で、いちばん気持ちが落ち着いたのは選手だろう。

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