転勤時のマイホーム、意外とやっかいな難題 マイホームなのに転勤!家を貸す際の注意点

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同社の場合であれば費用の違いは次のようになる。

■「代理型」
初期費用:賃料1.0カ月
管理手数料(毎月):普通借家・定期借家いずれも賃料の約5%~
■「転貸型」
初期費用:賃料1.5カ月
管理手数料(毎月):普通借家約6%~、定期借家約7%~
※いずれも初期費用・管理手数料等に別途消費税がかかる

なお、実際の管理手数料は、住宅がマンションか一戸建てかなど個別の事情によって異なるという。

では、どちらを選ぶ人が多いのか聞くと、海外赴任の場合と国内転勤の場合で傾向が異なるそうだ。同社の場合、海外赴任では圧倒的に転貸型を選ぶ人が多く、国内転勤では半々に分かれるという。

海外赴任の場合に転貸型が多いのは、マイホームから遠く離れていることに加えて時差があり、緊急性を要するトラブルなどをタイムリーに対応できないことが挙げられる。国内転勤の場合は、コストと負担のどちらを重視するかによって、代理型か転貸型かを選ぶようだ。

なお、海外赴任と国内転勤で、確定申告にも違いがある。

国内転勤であれば居住先の税務署に確定申告をするが、海外赴任の場合は、国内に住む親族などを「納税管理人」に選定し、本人に代わって確定申告をしてもらうことになる。

また、海外赴任者に賃料を支払う場合、転貸型で同社のような法人が借り手であれば、同社が賃料の20.42%(所得税+復興特別所得税)の源泉徴収額を納税したうえで、支払うことになる。この源泉徴収額が実際の税額より多い場合は、確定申告で取り戻すことができる。

転勤時の賃貸、注意すべき点は?

最後に、小椋さんに転勤時の賃貸について注意点を挙げてもらった。

建物一括借り上げ方式などで空室保証をするサブリースもあるが、同社が転勤者向けに提案している今回説明した「転貸型」では、空室保証をしていない。空室保証による賃料引き下げがない代わりに、空室が発生した場合は賃料が入らないことになる。

また、募集をかけてすぐに入居者が決まるわけではないし、4月からマイホームに戻る予定だからと3月までの期限で定期借家契約をしてしまうと、わが家にすぐに入居できない場合もあり、余裕を持った期間設定を提案しているという。

したがって、転勤している期間ずっと家賃収入があるとは限らないので、それを踏まえたマネープランを立てるべきということになる。

こうして見ていくと、マイホームを転勤の間だけ貸すといっても、いろいろな選択や手続きをしなければならないことがおわかりいただけるだろう。となると、転勤事例の経験豊富な不動産会社を選ぶということも重要なポイントなのだろう。

山本 久美子 住宅ジャーナリスト

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やまもと くみこ / Kumiko Yamamoto

早稲田大学卒業。リクルートにて、「週刊住宅情報」「都心に住む」などの副編集長を歴任。現在は、住宅メディアへの執筆やセミナーなどの講演にて活躍中。「SUUMOジャーナル」「All About(最新住宅キーワードガイド)」などのサイトで連載記事を執筆。宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーの資格を有す。

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