転勤時のマイホーム、意外とやっかいな難題

マイホームなのに転勤!家を貸す際の注意点

たしかに、元の勤務地に戻るまでの間だけマイホームを貸せば、返済が続く住宅ローンを家賃でカバーすることができる。とはいえ、実際にはそう簡単なものではない。

転勤でマイホームを貸す際の注意点を、次のそれぞれの観点から説明していこう。

1. 住宅ローン
2. 住宅ローン控除
3. 確定申告
4. 不動産会社への依頼の仕方

返済中の住宅ローンはどうなる?

「転勤の期間だけ家を貸すのだから、住み続けるのと同じと考えて何の問題もない」と思う人もいるだろう。実は、本人や家族が住むための家を買う=マイホームの取得については、さまざまな支援策がある。

住宅ローンが低金利で返済期間を長くできるのも、居住用だからだ。住宅ローンの資金使途に、契約者本人が居住する住宅といった条件があるはずだ。家を貸すことは賃貸事業を営むことになるので、原則的には、住宅ローンを利用できなくなり、賃貸事業用のローンに借り換えたり、一括返済を求められたりすることになる。

といっても、転勤はよくあること。金融機関が最も気にするのは、返済が滞ることだ。転勤の間だけ家を貸すことが、必ずしも返済が難しくなることではないので、金融機関に事前に相談をすることが大切だ。

例えば、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する「フラット35」では、転勤で住所変更がある旨の届け出を取扱金融機関に提出することで、これまでどおりの返済を継続できる。民間金融機関の住宅ローンでも、所定の手続きを踏めばそのまま返済が継続される場合も多い。

むしろ注意したいのは、無断で家を貸し、金融機関が事後にそのことを認知した場合、返済不能リスクがあると判断されて、一括返済を求められることだ。事前に相談することを強くおススメする。

住宅ローンを利用している場合、当初10年間、年末のローン残高の1%が10年間にわたり控除される「住宅ローン控除」が受けられる(消費税率10%の住宅は13年間など控除内容が異なる)。

もし、この控除を受けている間に転勤になった場合はどうなるのだろう?

転勤でローンの契約者だけが単身赴任する場合は、家族がその後も住み続けるので、そのまま控除が適用される。ただし、海外赴任の場合、2016年3月末日以前にマイホームを取得している場合は、住宅ローン控除の適用は受けられない。

一方、家族一緒に転勤先に引っ越す場合、住宅ローン控除は適用されなくなる。ただし、転勤からマイホームに戻ってきたときに、控除期間がまだ残っていれば、それ以降は再度、残りの期間について控除を受けられるようになる。

この場合も、あらかじめ所轄の税務署に手続きする必要がある。戻ってきてから手続きするのではないことも覚えておこう。

なお、マイホームを新築中に転勤が決まり、一度も住まないまま家を貸す場合は、居住する住宅に該当しないので、住宅ローン控除は受けられない。

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