筆者は野球のビジネスモデルについて追いかけている。
12球団は既存のマーケットに対して、濃密なアプローチを仕掛けてリピーター、ヘビーユーザーを増大してきた。
2019年の2653万人余という記録的な観客動員は、「お客が喜ぶことは何だってする」に全精力をかけた球団の努力のたまものではあろう。
しかし、野球競技人口、野球ファン人口が今後、減少する中で、プロ野球のマーケティングには「その先」が見えない。いずれ既存のマーケットは高齢化し、疲弊し、シュリンクしていくのだ。そのとき、どうするのか?
プロ野球だけでなく、今の日本野球界には「次の一手」を志向する動きがほとんどない。東京バンバータという軟式草野球チームは、硬直化した日本野球界に風穴を開けてブレークスルーを誘発する可能性があると思う。
僕にとっての野球は最高のエンタメ
熊本浩志は、東京バンバータの仲間からは今も「クマカン」と呼ばれている。
「うちのトップチームにいる、いい大人が“野球はこうあるべきだ”みたいなことを言うんですよ。
“ちょっとまってくれ、俺のほうから野球やれって言ったこと一度もねえぜ、やりたいからやってんじゃねえか、義務でやるんならやるなよ”って言うんです。
楽しくないのに野球やってるってどうなのよ、って今もそう思ってますよ。僕にとっての野球は最高のエンタメなんですよね。その視点でずっとバンバータを創ってきたので」
後編では、この東京バンバータが、東京ヴェルディと提携する話をお届けしたい。
(文中一部敬称略、後編に続く)
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