女性の役員登用は増えているが、その割合は主要国と比べまだ低いことが、東洋経済がこのほど行った『役員四季報』2010年版の調査でわかった。
同調査によれば、東証など全国6証券取引所の上場会社の役員4万2907名のうち、女性の役員数は529名、全体に占める割合は1.23%(2009年7月末現在)。前年と比べると、女性役員数は21名減、割合は0.01ポイント増とほぼ横ばいにとどまっている。ただ、1999年では女性役員数は99人、割合も0.2%。当時はジャスダックを除く5証券取引所の調査のため単純比較はできないが、女性役員の割合はこの10年で6倍以上に増加した。女性の社会進出が高まっていることがわかる。
しかし、まだまだ十分とはいえないのが実情だ。マッキンゼー&カンパニー「Women Matter」によると、欧州委員会が調査したEU各国のトップ50社に占める女性取締役の割合(06年)は、首位のノルウェーで32%、EU平均では11%だ。日本とは雲泥の差がある。
日本の男女共同参画の状況を調べた内閣府の「男女のライフスタイルに関する意識調査(09年)」によれば、女性の3人に2人が「仕事と家事・育児・介護との両立支援制度がない、足りない」「制度があっても利用できる雰囲気がない」と回答している。建前ではなく保育施設の充実や企業の制度整備など実際面での仕組みづくりなどが喫緊の課題となっている。
(山本亜由子 =週刊東洋経済)
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