成績がぐんと伸びる子が持っている2つの「力」 難関中を目指すなら学力より先に習得したい

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熱中する対象は、お稽古ごとでもいいし、場合によっては趣味や遊びみたいなものでも構いません。低学年なら、パズルでもぬり絵でもいいでしょう。大人から見れば無駄だと思うことであっても、まずは熱中して取り組むという経験そのものが、集中力の源になるのです。

いちばんダメなのが、「やらされている感」満載で取り組ませてしまうこと。単純に経験値を増やすという意味ではわずかにプラスになりますが、「のめりこむ力」というエネルギーを育てることにはつながりません。

大人はどうしても時間効率や手間、自分自身の都合を考えてしまいがちで、興味を持ったことをずっと調べていたり、わからない問題を延々考えていたりする状況に歯止めをかけてしまいがちです。

一方、子どもは大人にはつまらないことでも、好きで熱中できることを通じて面白さや達成感、エネルギーの生み出し方を自分なりに学べるという意味で、意義があることなのです。

興味関心を持ち続けたり、粘り強く取り組んだりする姿勢は、子ども自身が「好きなことを好きなように好きなだけやる」という経験をする中でしか身につけられないものだと私は思っています。

受験勉強にシフトするのは何年生から?

とある高校野球の強豪校の先生とお話しする機会をいただいた際、「野球で結果が出せる学年の子どもたちは、勉強でもあいさつでもとにかく一生懸命にやる」と話しておられました。

一芸に秀でるためには、そのことだけに集中して没頭する熱量が持てるという、人としての「追求力」を育てる必要があります。それが総合的な「人としてのエネルギーやパワー」を育てることにもつながるのではないでしょうか。

さて、すでに塾以外のスポーツや音楽などの習い事に熱中して取り組んでいるという子どもを持つ保護者の方も多いでしょう。ここで保護者の方からよくご質問を受けるのが、「習い事をいつまで続けるべきか」「いつから受験勉強を始めればいいのか」ということです。

今の難化の一途をたどる中学受験の現状を鑑みれば、難関校にチャレンジすることを考えるなら、小学校4年生の頭からは週に複数日、複数科目の勉強を塾で学習していく必要があると私は考えています。少なくとも国語・算数・理科の3科目の勉強を塾で学び始めるべきでしょう。

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