日本人観光客にも人気の高いマレーシアが、突如として強硬な策に打って出た。
3月16日22時頃から、マレーシアのムヒディン首相が新型コロナウィルス対策について緊急のテレビ演説を行い、18日から31日までの期間、マレーシア国民の出国と外国人の入国を全面的に禁止する「事実上の国境封鎖」を宣言したのだ。
つまり、外国人観光客の入国は一切禁止され、現在、海外にいる帰国者には検査の受診と、14日間の隔離期間を命じる極めて厳重な措置となる。あらゆる社会的活動や人々の移動などを最小限にすることで、感染リスクを早い段階で最大限に封じ込めることが狙いだという。
あらゆる学校や民間企業が一時閉鎖
幼稚園、小中高等学校から大学までのあらゆる教育機関が一時閉鎖されるほか、すべての政府機関や民間企業の一時閉鎖も求められている。また、スポーツ大会、文化、社会的イベントなどを含む大規模な集会は原則的に禁止されるほか、イスラム教徒にとっては欠かせない金曜礼拝を含むモスクでの全宗教行事も中止される。ただし、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、薬局など日用品を取り扱う店舗は例外的に営業を許可されるほか、水道、電気、エネルギー、銀行、金融など生活に必要なサービス関係は継続されるという。
マレーシアでは、昨日(17日)初めて、国内での感染者2人の死亡が発表された。マレーシア人の南部ジョホール州に住む34歳の男性と、ボルネオ島サラワク州の60歳の男性だ。この数日、急速なスピードで感染者は増え続け、15日に190人、16日に125人と2日間だけで新たに315人の感染が確認されている。隣国シンガポールの感染者の数を超え計553人を記録し(その後、17日新たに120人、計673人)、ついに東南アジア最多の感染者を抱える国になってしまった。現在12人が集中治療室(ICU)で治療を受けているという。
特に顕著なのが、イスラム教のモスクでの集団感染だ。マレーシアの首都クアラルンプールのモスクで2月27日から3月1日の期間に行われた、大規模な宗教行事に約1万6000人が参加。参加者のうち、マレーシア人338人の感染が16日までに確認されているほか、ブルネイやシンガポールから参加した53人も帰国後に感染が判明した。
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