モスクなどの礼拝所は、信者が狭い空間に密集して一定時間滞在し、接触頻度も増える。このモスクでは、医療関係者が集結して宗教行事当日の参加者の追跡調査を行っており、調査に参加している医師は自身のフェイスブック上で「(16000人もの追跡調査は)実に巨大でとてつもないタスクであるが、すべての人々が彼ら自身とそのコミュニティーを守るため、われれわれには彼らを助ける責任を分かち合う準備をする必要がある」と述べている。
首相「落ち着いていただきたい」
宗教行事をめぐっては、韓国で新興宗教団体「新天地イエス教会」が大規模なクラスターとなり、密集した空間での宗教行事の潜在的な感染可能性が問題視されている。
高齢のマハティール前首相に変わって、就任したばかりの新たな首相による初めての大々的な緊急事態を呼びかける演説が夜22時に始まると、車を路肩に寄せてスマホで中継に見入るマレーシア人の車列も発生した。演説でムヒディン首相は「パニックや不安に陥らず、落ち着いていただきたい。我々は、中国等の国々が思い切った対策を取り、感染を急速に減少させた事例を目にしてきている」と述べるなど、国民のあらゆる活動が突然制限されるという措置への理解を国民に求め、買いだめなどのパニックを起こさないよう求めている。
しかし、その首相の忠告とは裏腹に、演説の前後からすでにパニックはあちこちで発生し始めた。ツイッターやフェイスブックなどでは、各地のスーパーマーケットで買いだめに走る人々の姿が投稿され、食料品店などは期間中も閉鎖されないと宣言されているにもかかわらず、すでに混乱が始まっている。
あるツイッターユーザーは「カモン、マレーシア…… パニック買いにどうか走らないで」とコメント、トイレットペーパーやインスタントヌードル、洗剤などを大量に買い物かごに放り込んでゆく人々の姿を写真で捉えている。
また、別のツイッターユーザーも買いだめに走る人々の動画を投稿、「さあ、パニック買いの始まりだ!」。
さらに、観光サービス業を営む会社も自社のツイッターで「もう#観光や#原油 のことも忘れよう。今いちばんマレーシアでホットなビジネスは、#食料品販売 です。パニック買いに火がついている」とこれまたトイレットペーパーや食料品をカートいっぱいに詰めた主婦たちの写真を投稿している。
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