日本人が「幸せ」を外国人より感じない根本理由 「世界幸福度ランキング」の結果をもとに分析
世界幸福度ランキングで日本の順位が低い別の理由は、寛容さ(92位)にもあります。寛容さはボランティアや慈善活動の多さでも評価されます。
先に述べました「満足度・生活の質に関する調査」でも、回答者の半分以上(1万0293人中6078人)がボランティアを行っていないと回答しています。この点から、日本人のボランティアの少なさが幸福度を下げているということがわかります。
幸福度を下げる日本の休暇
一つひとつの結果を見ると、なるほどなという結果が出ていますが、世界と比べてなぜ日本の幸福度が低いのか、私なりに考えてみました。
まず労働環境が大きく影響しているのではないでしょうか。日本は海外に比べて祝日の多い国とされています。各国と比べてみると、日本の2020年の祝日は18日、2019年になりますがイギリス8日・ドイツ9日・フランス11日・アメリカ10日です。
日本は祝日が多いのに、なぜ休みが少ないと言われているのでしょう。日本での大型の連休といえば、年末年始とGWですが、両方ともだいたい1週間程です。海外を見ると、EU加盟国ではすべての企業・社員に対して最低でも4週間の休暇を取ることが法律で義務づけられています。そこに有給休暇が30日程あるので、これを組み合わせて2~3週間のバカンスを楽しむそうです。
有給休暇の取得に関して、旅行会社のエクスペディアが調査をしています(有給休暇取得率3年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2018)。
この調査によれば、日本人の有給休暇取得率は50%で、3年連続の最下位となっています。日本は海外に比べ、有給休暇を取得していないことがわかります。その理由として「上司に言いづらい」「有給を取ることに罪悪感を抱いてしまう」という人が多いという結果が出ています。このような結果から、十分に休みを取れていないことも満足度が低くなる要因と考えられます。
勤労体制に関していうと、ここ数年「ブラック企業」などと呼ばれ、休日出勤や無報酬での残業過多、昇給賞与なし、上司からの飲みの誘いを断れない、熱が出たくらいで休むなと言われる、こういった部分にも不満を感じている人は多いと思われます。
2020年の世界幸福度ランキングでも62位という結果になり、年々順位を落とす日本。この順位を上げるためには働き方だけではなく、「幸福とは何か」についても考えていく必要があると思います。
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