イタリア北部で今いったい何が起こっているか コロナ感染で緊迫、スーパーカーにも打撃か

✎ 1〜 ✎ 38 ✎ 39 ✎ 40 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

だから新興メーカーなどにとっては、高いモーターショー関連コストを負担してまでも、参加する価値ありと判断する。また、大メーカーにとっても、世界のメディアが取材に訪れるジュネーブでニューモデルを発表することはそれなりに意義があるのだ。

そんなジュネーブモーターショーが開幕直前にキャンセルとなってしまった。2000人以上の集客が予想されるイベントの開催をスイス国内において禁止するという政令が出たのだ。すでに各メーカーのスタッフは現地に入ってスタンドの設営に取りかからんとしていたときであり、参加メーカーの落胆はとても大きいものであった。

4~5月に予定しているニューモデル発表イベントに関しても黄色信号が点っているのが現状だ。いったん、3月終わりから5月4日へと延期されたモデナ隣町ボローニャにて開催されるボローニャ国際児童図書展も中止が早くも案内されているし、5月に多数開催が予定されているイタリアの自動車関係のイベントも開催が危惧されている。これによってモデナ地区における自動車産業の2020年マーケティング戦略は大きく修正が要求されるであろう。

つらいときにもお互い助け合う

上の画像をクリックすると、「コロナショック」が波及する経済・社会・政治の動きを多面的にリポートした記事の一覧にジャンプします

冒頭で、お互いのコミュニケーションを避けるような人々の態度に大きな驚きを感じたというR氏からこんなメッセージが届いたので、最後にご紹介しよう。

「私のアパートにこんな張り紙を見つけました。“今の時期にもし家から出たくないのであれば私たちが無料で買い物や急用に対応します。以下の電話番号にかけてください。2階に住むカップルより” と書いてありました。そうです。つらいときにも、お互い助け合う。これがイタリア人のメンタリティーなのです」

越湖 信一 PRコンサルタント、EKKO PROJECT代表

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

えっこ しんいち / Shinichi Ekko

イタリアのモデナ、トリノにおいて幅広い人脈を持つカー・ヒストリアン。前職であるレコード会社ディレクター時代には、世界各国のエンターテインメントビジネスにかかわりながら、ジャーナリスト、マセラティ・クラブ・オブ・ジャパン代表として自動車業界にかかわる。現在はビジネスコンサルタントおよびジャーナリスト活動の母体としてEKKO PROJECTを主宰。クラシックカー鑑定のオーソリティであるイタリアヒストリカセクレタ社の日本窓口も務める。著書に『Maserati Complete Guide』『Giorgetto Giugiaro 世紀のカーデザイナー』『フェラーリ・ランボルギーニ・マセラティ 伝説を生み出すブランディング』などがある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事