会社を滅ぼす「無礼な新人」を見分ける方法 「ヤバい人」を採用しない具体的なテクニック

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新入社員を採用する際に、社員に悪影響を及ぼしかねない“無礼な人”を採用しないためには?(写真:kou/PIXTA)  
新型コロナウィルスの影響で、3月から本格的に始まる予定だった就活関連イベントが次々と中止、延期に。企業はWebでの説明会や面接を行うなど、対応を迫られている。
たとえ例年と異なる採用方法になろうとも、注意しなくてはならないことがある。それは、無礼な人を採用しないということだ。当たり前のことと思うかもしれないが、実際どうすればそういった人を採用せずに済むのだろうか。
「職場の無礼さ」の研究に20年を捧げた著者の集大成である『Think CIVILITY(シンク・シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』を一部抜粋のうえ、再編集してお届けする。

無礼な人を採用しないためのテクニック

企業に悪影響を及ぼすような人を入れるべきではない。態度の悪い人が1人いるとその影響は感染症のように広がってしまう。何よりも問題なのは、礼節に欠ける人間をうっかり中に入れてしまうことだ。まずそれを防がなくてはならない。

『Think CIVILITY(シンク・シビリティ)「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』は10万部のベストセラーになっている(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

ディラン・マイナー、マイケル・ハウスマンの調査によれば、有害な社員が1人いると、「スーパースター」と呼べるほど特別に優秀な社員2人あるいはそれ以上が、達成した生産性向上を帳消しにしてしまうという。

スーパースター(ここでは、生産性が全社員中の上位1パーセントに入る者を指す)は、企業の利益を年間約5000ドル上積みするのだが、有害な社員1人にかかるコストは、年間約1万2000ドルにも達するとされる。訴訟費用や、社員の士気、顧客満足度の低下なども考慮に入れると、コストはさらにはね上がることになる。

私の調査でも、無礼な社員によるネガティブな影響は、礼節ある社員によるポジティブな影響よりも大きいという結果が得られている。有害な人物を、組織に入る前に排除すべき理由はまさにそこにある。そうした人物を排除するための具体的な方法はあるのか。

面接では、態度に問題のありそうな人間が入って来ないよう、気をつけるべきだ。そうするには方法がある。まず、面接をしている間はつねに、その人がほんの少しでも無礼な言動をしないか目を光らせる。

また、仮定にもとづく質問は避けたほうがいいだろう。例えば、「こういう仕事を担当するとしたら、どう進めますか?」「こういう状況に直面したら、どう対処しますか?」といった質問はすべきでないということだ。では、どういった質問が有効なのだろうか。

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