会社を滅ぼす「無礼な新人」を見分ける方法 「ヤバい人」を採用しない具体的なテクニック
誰かに礼節あるふるまいを望んだとしても、あなた自身のふるまいが模範となるものでなかったら、望みどおりにしてもらうのは難しいだろう。
仕事がどのようなものであっても、就職志望者があなたから見て「よい」と思える人でも、「悪い」と思える人でも、必ず敬意をもって接する必要がある。
以前、ある有名な大学教授からこんな話を聞いたことがある。その教授は、私の勤務していた大学に誘われたのだが、結局はライバルの大学に入ることになった。私は教授に会ったとき、「面接のときの自己紹介はすばらしかったですね」と言った。
するとすぐに、実は私のいる大学での面接のとき、とても嫌な思いをしたのだという答えが返ってきた。面接を担当した教授の1人が、彼に対してひどいことを言ったからだという。彼の話では、私たちの大学のほうが、提示された給料もよかったし、研究資料なども充実していて、あらゆる条件がよかったらしい。
だが、ひどい言葉を発した教授の存在は、大学の文化の表れだと感じた。彼はそういう文化の中に入りたくはないと思ったのだ。彼の気分を害した教授はまだ若手で、仮に彼が入ってきても上の地位になることはない。また、すぐそばで仕事をする可能性もまずなかった。にもかかわらず、ほんの一瞬の無礼な態度がすべてを決めてしまったわけだ。
誤った人材を雇うくらいなら、誰も雇わない
自分たちが守るべき礼節の水準を明確に定めよう。そして、仕事上で関わる人すべてが、その水準より上になることが望ましい。同じ会社の社員だけではなく、社外のアドバイザー、提携企業や卸売業者などの社員、顧客など、関係するすべての人が礼節ある行動を取れるのが理想だ。
ナイキはそれを実践している。例えば、卸売業者としてナイキと取引をするためには、「お互いの尊重」が絶対条件であることを認める、とする協定書にサインをする必要がある。
ナイキの例からわかるのは、無礼な言動が組織に与える損害は甚大だということだ。その損害は、無礼な人間にたとえどれほどの技術、才能があったとしても、相殺できるものではない。無礼な言動は未然に防ぐべきだ。
そのため、無礼な人間が入り込まないよう細心の注意を払う。採用のための面接を体系化し、志望者の人格を的確に見抜けるようにする。また面接だけでなく、関係者に話を聞くなどして、人柄を徹底して確認する。少しでも危険な兆候があれば採用を控えるべきだろう。
また、採用をする側も態度に気をつけ、模範を示すようにする。入社後、間違いなく礼節ある行動を取ってくれそうだと確信できる人は簡単には見つからないかもしれないが、あきらめてはいけない。この人なら、という人に出会うまでは何度でも面接を繰り返す。
アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾスも「誤った人間を雇うくらいなら、50人を面接して1人も雇わないほうがいい」と言っている。礼節を守るためには、努力が必要だ。
また、その努力には価値がある。
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