コロナ影響長引く北京の人気「麺料理店」の窮状

異常事態に生き残るために協業で助け合い

1カ月以上休業しているという麺料理店「胖妹面庄」。営業再開のメドが立たず生活の面でも不安な日々を送っている(写真:Gilles Sabrié/The New York Times)

ここは北京の人気の麺料理店「胖妹面庄」。普段なら客でごった返す石でできたカウンターは作業台と化し、従業員がその上で餃子を包んだり麺やたれを量ってプラスチック容器に入れている。

店は表向き、1カ月以上休業している。常連客らを含むすべての北京住民は、外出したり集会に参加したりしないよう、当局から命じられている。

店のオーナーたちは少しでも売り上げ減の埋め合わせになればと、家で麺をゆでるだけで食べられる出前セットを売り出したが、あまり引き合いはない。

「実際のところ、利益はまったく上がっていないのが現状だ」と、オーナーの1人である杜天琦(34)は言う。

経営難に陥っている中小企業

新型コロナウイルスの感染は数十カ国に広がるとともに世界経済を揺るがし、世界有数の大企業の経営をも脅かしている。北京をはじめとする中国の都市部では、いつ終わるとも知れない経済危機を耐え抜くだけの資金力のない中小企業が経営難に陥っている。

その中には青空市場や書店、理容室にバー、レストランにカフェなど、都市の活気には欠かせない――。そして多数の雇用を生み出している業種が含まれる。当局によれば中国では家族経営の事業者は8000万を数え、2億人以上を雇用しているという。中国のGDPのうち中小企業が占める割合は5割を超える。

中国政府は今、感染防止策(および、それに伴う政治的信頼の回復)と経済活動の復旧の必要性のバランスを取ることを迫られている。

中国の李克強首相率いる緊急タスクフォースは、中小企業に対する支援を打ち出している。内容は年金や医療保険などの社会保険料の負担減免や、家賃やローン金利の引き下げといったものだ。

北京のレストランやカフェはとりわけ大きな打撃を受けている。業界団体の調査によれば、70%近くが営業を再開できていない。

これら事業者の足かせとなっているのは客の激減だけではない。仕入れの確保も困難なら1カ月近く前に終わっているはずの春節(旧正月)で帰郷した従業員もなかなか北京に戻ってこられないのだ。

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