――クレベリンの生産体制はどうなっていますか?
京都工場で作れるだけ作っているが、中国から調達している資材が不足してアクセルを踏みきれていない。また、今回の新型コロナウイルスの流行がどう沈静化していくかがわからない。2009年に新型インフルエンザが大流行してクレベリンの需要が急増した際、増産投資をして大量の不良在庫を抱え、経営が苦しくなった。今回も焦って増産投資をし、同じ轍を踏むようなことはしたくない。
――2014年には消費者庁から「ウイルス除去等の表示について、裏づけとなる合理的な根拠がない」として措置命令を受けました。それ以来、信頼は回復できましたか。
「簡単、置くだけ!二酸化塩素分子がお部屋の空間に広がります」というような広告表現には根拠が乏しいという指導を受けた。そのため以後は「ご利用環境によって、成分の広がり方は異なります」というただし書きをつけた。クレベリンを置いた部屋でも、窓を開ければその成分がなくなるのは当然だ。
2014年当時はSNSなどで一般消費者からクレベリンに対するひどい書き込みが多かった。だが、空間除菌によって感染リスクを最も低減したいのは医療従事者だ。私が肝臓外科医をやっていたときに、ウイルス感染による肝炎や肝硬変で仲間が5~6人亡くなっている。そういう経験があるので、医療従事者を守るためにこの事業を進めている。
ある程度の民意は獲得できた
――一般の消費者からの信頼回復はできているのでしょうか?
消費者庁の措置命令に従って努力し続け、CMにもただし書きをつけるようにした。CMを改変したことによって、消費者には理解してもらえたはずだ。
今ではSNSで「クレベリンを使ったらこのシーズンにインフルエンザにかからなかった」という書き込みも出ている。以前は「とんでもない商品だ」という声が多かったが最近は「効いているようだ」という書き込みも出てきており、ある程度の民意は獲得できたと思っている。
――新型肺炎の感染が拡大してからクレベリンが品薄になっている小売店もあります。この状況をどう考えていますか?
クレベリンはあくまでも雑貨なので、特定のウイルスに効くと表現すれば薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に引っかかる。新型コロナウイルスの実験はしていないとはいえ、クレベリンに含まれている二酸化塩素ガスはインフルエンザウイルスやノロウイルス、コロナウイルスに効果があると、私を含む当社の研究者が学会で発表したこともある。
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